〈クイーンズ伊勢丹の食材を使用 塚田農場プラス初の“グローサラント”〉
弁当の販売などを手掛ける塚田農場プラス(東京都港区)は23日、グローサラント4業態をアトレ品川3階「FOOD&TIME ISETAN」フードコート内にオープンした。隣接のスーパー「クイーンズ伊勢丹」の食材を使用し注文後、出来立てで提供する同社初のグローサラント業態で、肉バルや寿司などタイプの異なる4業態を揃えた。

※グローサラント=グローサリー(食料品店)とレストランを掛け合わせた造語。商業施設の店内で扱う食材をその場で調理し、レストランのように質の高い食事を提供する業態。

親会社エー・ピーカンパニーが展開する居酒屋「塚田農場」などで培った商品開発力、食材調達力を生かし開発したもので、中食事業に次ぐ柱にグローサラント業態を育成し、開業が相次ぐ商業施設への進出を目指す。

〈食べて納得した上で食材購入が可能 “ちょい飲み需要”も取り込み〉
オープンしたのは、チキン南蛮とハイボール「CHICKEN NAN‐BAR」、カスタムサラダ「Veggie」、肉バル&総菜「T.N.MEAT WORKS」、寿司「よいのいき」の4業態。

「CHICKEN NAN‐BAR」では、「塚田農場」でも人気のチキン南蛮をハイボールとの組み合わせで提供する。「Veggie」は、クイーンズ伊勢丹オリジナルのオーガニック野菜を使用したサラダが看板メニュー。「T.N.MEAT WORKS」は目の前で焼き上げるステーキとワインを、「よいのいき」はおつまみとしての細巻き「おつまき」と日本酒をワイングラスで提供する。

使用する調味料や食材は隣接スーパーのクイーンズ伊勢丹で購入可能で、料理を食べて納得した上で食材を購入できる。ターゲットは近隣の居住者、オフィスワーカー、品川駅を利用するビジネスパーソンや観光客などで、アルコールとのペアリングを意識した3業態をオープンしており、ちょい飲み需要も積極的に取り込む考えだ。
クイーンズ伊勢丹の食材を調理し、出来立てで提供

クイーンズ伊勢丹の食材を調理し、出来立てで提供

〈「塚田農場」グループ全体へのシナジー効果に期待〉
塚田農場プラスの森尾太一代表取締役は、グローサラント業態進出の経緯を、「エー・ピーカンパニーの外食事業、当社の中食事業と両事業で実績を積んできた点が支持され、今回のオープンにこぎつけた。クイーンズ伊勢丹の食材に加え、『よいのいき』では、居酒屋『四十八漁場』でも提供する漁港直結の今朝獲れ鮮魚を使った丼ぶりも提供するなど、既存の居酒屋業態で使用する食材も積極的に活用していく。いずれは、それらの食材をクイーンズ伊勢丹で販売することも検討しており、六次産業化ビジネスモデルを居酒屋の運営で展開してきた当社グループとして、一次産業(農業、漁業等)のさらなる活性化に繋げていきたい」と語った。

一方、三越伊勢丹フードサービス営業統括部の小松慎吾氏は、オープンに懸ける期待を「もともとは自社で運営していた品川アトレのグローサラントだが、苦戦が続き、エー・ピーカンパニーの力を借り、リニューアルに至った。クイーンズ伊勢丹のPB商品の良さを生かしたメニューが多数提供される予定で、売り上げ面にも期待したい」と話した。

なおエー・ピーカンパニーの主力業態「塚田農場」の既存店売上高は、出店攻勢による人材不足やサービスの質の低下などを要因に33カ月連続での減少が続いている。グローサラント業態への進出を機に、「塚田農場」の認知向上と日頃、居酒屋に行かない女性客の来店誘引につなげ、グループ全体にシナジー効果を生み出す考えだ。

「我々が目指すのはブルーオーシャン。好調な弁当販売事業を筆頭に中食事業を拡大にするに当たって、新旧様々な惣菜専門店がひしめくデパートへの進出ではなく、これから拡大が期待されるグローサラントに着目した。商業施設のニーズに沿った業態を施設ごとに開発し、積極的な出店を目指していきたい」(森尾代表取締役)。

【関連記事】
タニタ、楽天と提携し“カフェ”進出、「22年を目途に100店舗」まで拡大の計画
スシロー、初の「回らない」業態に挑戦 “街角の屋台”をイメージ、1貫60円から
ビール190円、チューハイ150円 "破格の安さ"で挑むコロワイドの新業態
原宿駅に“食べ歩きパフェ”専門店 竹下口改札外すぐ、券売機横に開店