圧倒的ボリュームで若者に大人気な「伝説のすた丼屋」の運営で知られるアントワークス(東京都中野区)は今年5月、同社初の焼肉業態「焼肉 まる秀」の運営を開始した。

看板メニューには黒毛和牛「薩摩牛」と北海道産米「ほしまる」を掲げ、上質な肉と米を大衆価格で提供する。何度でも通える価格設定でリピーターも生まれており、1号店「国分寺店」(東京都国分寺市)に続き、早くもこの7月には2号店目の「昭島店」(東京都昭島市)がオープンした。同業態の安さと旨さの秘密を追った。

〈“何度でも通える”価格設定で「安くて旨い肉と米を腹いっぱい食べてほしい」〉
アントワークスの早川淳副社長は、「焼肉 まる秀」を立ち上げた背景と狙いを、「当社は丼チェーン『伝説のすた丼屋』をはじめステーキの『デンバープレミアム』や豚丼『き久好』など、肉を使った様々な業態を開発してきた。肉業態で培ってきた運営ノウハウやスケールメリットを活かし、後発でもコンセプト次第では当社の成長につなげていけると考え、新規に参入したのが焼肉業態だ」と話す。

「『焼肉 まる秀』は、『安くて旨い肉と米を腹いっぱい食べてほしい』という想いの下、立ち上げた新ブランドで、こだわりの黒毛和牛と米を大衆価格で提供することで例え薄利でもお腹いっぱいに食べてほしいと考えた。ハレの食事としてのイメージが強い焼肉だが、何度でも通える価格に設定することで、来店頻度の拡大を狙った」(早川氏)。
アントワークス 早川淳副社長

アントワークス 早川淳副社長

〈契約農場から直接仕入れ〉
看板メニューは鹿児島県産黒毛和牛「薩摩牛」で、4等級以上のものを提供。また米は、約10年かけて品種改良された北海道妹背牛町産の直播米「ほしまる」を使用している。「薩摩牛」「ほしまる」とも契約農場から直接仕入れることによって、安心・安全な食材を大衆価格で提供することができるという。
 
大衆価格へのこだわりとしては、1290円(イイニク)、964円(クルシイ)、794円(ナクヨ)、593円(ゴクミ=極味)、481円(シッパイ)、298円(ニクヤ)というゴロ合わせの6つの価格帯のみに設定(以下、全て税別価格)。「値段を気にせずお腹いっぱい食べられるよう、分かりやすい価格にした」(早川氏)という。
 
メーンのプライスゾーンとなる964円・794円メニューでは、一般的に1500円以上の価格帯で提供されていることが多い薩摩牛のカルビやロースなどを用意。また1290円メニューでは薩摩牛の中でもたった4%しか生まない「薩摩牛4%の奇跡」のリブカブリ、リブロース、カイノミなどを提供。黒毛和牛以外にも鹿児島県産ブランド豚「南国スイート」や和牛ホルモンなどが593円で堪能できる。
 
〈ドリンクは298円均一、ご飯も小盛から450g“大盛盛”まで一律298円〉
一方、サイドメニューとアルコールを含めたドリンクは全品298円均一で用意。北海道産米「ほしまる」を使用したご飯は、小盛(180g)・並盛(250g)・大盛(350g)・大盛盛(450g)を全て298円の同一価格で提供している点も同業態の特長だ。客単価は約2300円。客層はすた丼同様、お腹いっぱい食べたい若者はもちろん、シニアを含めた夫婦や子ども連れなど幅広く、割安感とボリューム感のあるデザートメニューを充実させており全体の4割を女性客が占める。
 
〈1号店「国分寺店」オープン2カ月で2号店「昭島店」を出店〉
5月24日の1号店オープンから2カ月後の7月26日には、早くも2号店目となる昭島店がオープンした。「1号店はリピーターとなるお客様が付くなど大盛況となっており、2号店目のオープンに漕ぎ着けることができた。メニューの一部を改訂、国分寺店では一人客を狙い設けたカウンター席は設けずテーブル席を増やすなど、よりロードサイドに適した業態に改良を進め2号店を出店した」(早川氏)。
 
同社の既存業態は、「伝説のすた丼屋」をはじめ「デンバープレミアム」や「き久好」など、職人技が必要なオペレーションや商業施設へ出店していることから、出店スピードを速めることが難しかったり、時期によっては施設自体の集客に左右されてしまったりする課題があったという。一方「焼肉 まる秀」は、ロードサイド、路面を問わず出店でき、かつ社員レス営業が可能で出店スピードを速めることができる。また、初期投資額や省人化対策などでフランチャイズの加盟がしやすい業態として立ち上げており、来年度中には10店舗体制を、再来年度にはフランチャイズ展開も目指していく意向だ。

「焼肉 まる秀」昭島店内観

「焼肉 まる秀」昭島店内観