〈入店から退店まで“店員と完全非接触”〉
回転寿司チェーン「くら寿司」は、店員を介さずに会計が可能で、かつ機器に触れずに操作できるタッチレスの「セルフレジ」を、10月13日に「池袋サンシャイン60通り店」へ、10月16日には「なんば日本橋店」へ先行導入する。

あわせて、入店時の受付案内機もタッチレスに改修する。これにより、大手外食チェーンで初めて、入店から退店まで店員と対面せずにサービスの提供が可能となる「非接触型サービス」が完成する。

今回導入する「セルフレジ」は、指の動きを判別する特殊センサーによって、モニターに触れずに操作できる「タッチレス型」となっている。また、同様のセンサーを入店時の受付案内機にも搭載し、これまでの無人案内をタッチレス型に改修する。

「池袋サンシャイン60通り店」への導入初日、この「非接触型サービス」の入店から退店までの一連の流れを体験してきた。

入店するとまず、受付案内機による「セルフ案内」で受付。指の動きを認識できる特殊センサーを導入するなどの改修を行っており、画面から数cm離れた位置で反応し、画面に触れることなく操作できた。
受付案内機

タッチレスの受付案内機

 
店員・機械ともに非接触のまま、発券されたレシートに記載された番号のテーブルへ向かう。注文は、テーブル上のタッチパネルに表示されたQRコードから自分のスマートフォンと連動させる「スマホde注文」に対応している。連携は最大6台まで。複数人のグループでも、個々に注文できる。自分のスマホを操作することで、ここでも店舗の機械に触れることはなかった。

タッチパネルに表示されたQRコード

テーブル上のタッチパネルに表示されたQRコード

「スマホde注文」

「スマホde注文」で注文する様子

 
商品は、くら寿司の他店舗と同様、「抗菌寿司カバー」に入ってレーンで流される。皿を持ち上げるだけでカバーが開くので、カバーに触れることもなかった。また、皿のカウントは、レーンに取り付けられたカメラで行われ、枚数確認のために店員が来ることもなかった。
 
会計は、今回導入した「セルフレジ」に案内機で発券されたレシートのバーコードを読ませて行う。受付案内機と同様のセンサーを搭載しており、画面に触れずに操作できる。支払いは現金のほか、クレジットカード決済、QRコード決済に対応している。ここでも、店員や機械と接触することはない。

「セルフレジ」

新規導入した「セルフレジ」

 
以上で、店員とは完全非接触のまま、入店から退店までの流れが完結した。
 
「受付案内機」のタッチレス化と、タッチレスの「セルフレジ」導入にしたことで、機械との接触の削減も実現している。ただし、現時点ではテーブル上のタッチパネルがタッチレス化に対応しておらず、「スマホde注文」を選択したとしても、最低2回は触れる必要がある。テーブル上の皿をすべて投入口に投入した後の「投入完了」ボタンを押す際と、会計金額の表示確認後に「お会計」ボタンを押す際。この「機器との接触」については、2021年春に改修完了を予定しているという。

“非接触”未対応のタッチパネルも、改修を予定

“非接触”未対応のタッチパネルも、改修を予定

 
くら寿司の広報は、「今回の導入によって、新しい生活様式に対応したこれからのくら寿司店舗のスタンダードとなる『スマートくらレストラン』のフォーマットが完成した」と話す。
 
今後、新たに出店する店舗はタッチレスの受付案内機・セルフレジを標準装備し、既存店舗は順次改装を進め、2021年12月末までに全店導入を予定している。ウィズコロナ時代に非接触サービスの積極導入を進めることに関して、「設備を整えることで、まずは安心して来店してほしい」との思いがあるという。
 
これら「非接触型サービス」を標準装備したモデル店舗「東村山店」が11月17日、「スマートくらレストラン」1号店としてオープンする。
 
多くの外食企業がコロナ禍の影響で苦戦する中で、くら寿司は、これまでも実施してきた感染症対策の周知に加え、「鬼滅の刃」キャンペーンの奏功もあり、2020年9月の既存店売上高で7カ月ぶりの前年超えを果たした。今後も、新たな技術の導入などを通じて進化を続け、コロナ禍を乗りこえる外食チェーンのモデルケースにもなり得るのではないだろうか。