【冷凍パン特集④】ナン、トルティーヤが拡大/ジェーシー・コムサ

〈輸入冷凍パンは販売代理店として取り組み〉
ジェーシー・コムサはピザメーカーとしてよく知られるが、パンにおいてはナン、トルティーヤ、フォカッチャ、ピタパンといったエスニックブレッドおよび、欧州でも高い評価を受けるマンティンガ社(リトアニア)の輸入冷凍焼成パン(バター入りバゲット)を、業務用を中心に展開。昨年度はパンで20億円、うち冷凍パンで11億円ほどの売上があった。直近3カ月では、冷凍パンで新たな販路拡大もあり、前年比18%増と伸長しているという。

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エスニックブレッドでは、最大ボリュームのナン、次ぐトルティーヤが伸長。横山恵司執行役員常務によれば、ナンについては同社のプロモーションも奏功し、外食も含めたカレーの中で、ごはんよりナンを選ぶ人が過半数になるという調査結果が出るなど、市場が拡大。

トルティーヤはSMやCVSで、デリカメニューとしてラップ、ブリトーといったメニューが伸長している中、「デリカについては後発だが、このところ当社の出荷も拡大している」という。

3年ほど前から取り組むマンティンガ社の輸入焼成パンについては、手軽さもあって喫茶店、アミューズメント施設などで販売してきたが、販路拡大もあって今年はさらに伸長。「リトアニアは小さな国だが、同社は出荷の半分以上をパンに対して舌の肥えたヨーロッパに供給しており、味への信頼感が高い。そして、水がきれいで環境がよく、また、戦時中に杉原千畝が活躍するなどストーリー性もある。さらに、設備の機械化が進んでおり、少量多品種を工業化してコストを下げるノウハウを持っている。会社として惚れ込んだ部分もあり、互いに課題を整理しながら、販売代理店として日本でのビジネスを拡大したい」という。

今後の市場環境については、これまでの市販用の冷凍パン市場では、SMでは売場の問題もありなかなか拡大してこなかった面もあるが、足元で拡大が続いている通販・宅配市場の成長も睨み、常温はもちろんチルドと比較しても保存性の高い冷凍パンの可能性を探りたい考えだという。

〈冷食日報2017年12月22日付より〉

 

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