冷凍枝豆シェアNo.1を誇る日本水産。昨年はタイ産の供給体制を高め、台湾、中国を合わせて、枝豆2万tも射程圏内に入った。枝豆は海外品に加え、昨年から国産品の取り扱いも本格的に始めるなど、多面展開を図っている。枝豆以外の品ぞろえ拡大にも踏み出した。現在、野菜品種として20種類ほどを取り扱っているが、今春の業務用新商品では欧州ほうれん草や国産ケールなど独自商品も目立ち始めている。

前期の凍菜取り扱い数量は前期比9%増と伸長し、2万6,000t、金額ベースでも9%増で100億円を超えた。そのうち枝豆は1万9,500t(前期比9%増)と75%を占める。冷凍枝豆の国内総輸入量7.5万tの4分の1を占める計算だ。

「枝豆は圧倒的No.1になってきた。特にタイは昨年6月に供給体制を強化した。現地サプライヤーと技術交流しながらおいしさを追求した取り組みが実を結び始めている」(業務用食品部業務用第二課小坂方人課長)。

枝豆の国別構成比は現在、タイが5割、台湾が3割、中国が2割。今後、タイと台湾では供給能力を拡大し、中国は第三国向け輸出を伸ばす方針だ。

台湾では関連会社の新工場が今冬には稼動する見通し。台湾産8,000tを目指す。中国産枝豆も前期は2桁増と好調。中でも中国産の輸出は欧米市場を中心に伸ばしている。

国産枝豆は17年から販売を本格化した。九州で茶豆風味の“味わい豆”を生産。海外品との値差は1.5倍あるが、国産志向から需要は学校給食のほか、惣菜や冷食売場、居酒屋などに広がると見込む。国産枝豆は「将来的に1,000tほどに増やしたい」考えだ。

枝豆は家庭用で通常品の2倍容量となる800g商品が好調で、新たな需要をつかんでいる。他方120gの「1回ぶんだけ」シリーズや店舗陳列棚に置くだけのフローズンチルド商品など新提案を重ねている。

このように枝豆で圧倒的No.1の地位を固める一方で、枝豆以外の品目にも取り組みを強めている。

ベルギー産ホウレン草をこの4月に発売。開発に3年を費やしたという。冷涼な気候のもとで栽培され、葉に厚みがあり食感のしっかりした良品に仕上がった。

「現地企業と共同開発を進めて雑草など夾雑物をできる限り減らした。また欧州は日本のようなおひたしの食文化はないが、栽培方法などを工夫した」という。EU凍菜としてはオランダ産「イエローポテト」も手掛けるが、まずはホウレン草を根付かせていく。

中国産はミックス野菜の拡大を図る。「5色の彩りごろっと野菜ミックス」など数種ミックス商品や“○食取り”など個数管理できるような中国製造ならではの付加価値をつける。タイ産はオクラの拡販を図る。色が濃く、大きさにバラつきが少ないのが特長。ホール、スライスなど各種自然解凍品をそろえている。国産品は前期、カボチャとコーンのみ1,200tの取り扱いだったが、北海道と九州の2拠点で品ぞろえと販売の拡大を図る。

昨年取り扱いを始めた道産の大根おろしが順調だが今後、市場性を期待するのが宮崎産のケールだ。

宮崎の協力工場は「原料にこだわり、ほとんどを自営農場で栽培している」企業だという。日水ではこの工場からホウレン草、ゴボウ、ケール、小松菜――を品ぞろえした。特に新奇性の高い提案がケールやゴボウの自然解凍品の利点を活かしたサラダ使い。枝豆を含めてサラダへの利用など、健康機軸とした凍菜の活用を勧めて需要喚起していく考えだ。

〈冷食日報 2018年4月26日付より〉

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