日本輸入食品安全推進協会、厚労省課長級と食品衛生法情報交換 器具包装ポジリスなど

日本輸入食品安全推進協会 西井孝明会長
日本輸入食品安全推進協会は11日、フクラシア東京ステーション(東京都千代田区)で「平成30年度定時社員総会」を開いた。

役員改選では会長に西井孝明味の素社長が、副会長に原田隆日清製粉グループ本社常務と久保洋三伊藤忠商事常務執行役員が、それぞれ再任された。懇親会には厚労省から道野英司医薬・生活衛生局食品監視安全課長、関野秀人同局食品基準審査課長、梅田浩史同局食品監視安全課輸入食品安全対策室長、南明宏東京検疫所企画調整官ら多数参加し、15年ぶりに大幅改正した食品衛生法について会員社と意見を交わした。総会には総会員82社のうち23社が出席(44社が委任状提出)した。

西井会長は冒頭挨拶で次のように述べた。「食品事業者にとって今、最大の関心事は食品衛生法の改正だ。平成15年以来、15年ぶりの大幅改正ということで、食品の安全確保の更なる向上のためこれまで検討されてきた様々な項目が盛り込まれている。今後ますます進む食のグルーバル化への対応として事業者が責任をもって取り組む事項が具現化されているものと考える。スポーツの国際イベントによって増加が予想される海外訪日客に対して法制度に基づいた食品の安全確保が大きなテーマになってくる。適切に対応できるようにしたい。輸入食品事業者の立場としては食のグルーバル化に対応した安全確保はもとより、特に今回の法改正の中では容器具・容器包装のポジティブリスト化が海外輸入品にも求められている。当協会としても会員の皆様に問題が生じないように側面から支援していきたい」「当協会の事業として、輸入食品衛生管理者養成講習会は今年で27回目を迎える。これまで3,500人超が受講し、幅広い知識を修得した方々が全国に広がって輸入食品の安全確保に尽力いただいていることは大変意義深い。厚労省をはじめ関係者の指導・協力をいただきながら発展させていきたい。勉強会や情報交換会、検疫情報提供など会員の皆様にとってされに有意義なものになるように努める」

〈「現場理解しながら進める」道野課長〉
総会で道野食品監視安全課長は「15年ぶりに食品衛生法が改正された。これをどのように施行して社会に根付かせていくかがこれからの大きな仕事だ。協力をお願いする。本協会会員の皆さんも国内施設をもっていると思う。今回の制度改正はHACCPやリコール報告制度、器具包装のポジティブリスト制度、特定成分による健康被害報告の義務化――と多岐にわたる。皆さんと十分にコミュニケーションをとりながら進めていきたい」と挨拶した。現場の状況を理解しながら新制度の施行を進める考えを示した。

また懇親会に出席した関野課長は器具包装ポジティブリスト制の導入に係り、容器包装業界団体に加盟していない企業の実態を把握するために今後、食品メーカーを通じて使用している器具包装の情報収集をしていく方針を明かし、出席者に協力を求めた。

同協会の会員は17年度末で正会員83社(4減)、賛助会員1社(1減)、4月1日付で大丸松坂屋百貨店が退会し、正会員は82社となった。

役員は各理事が重任となったが、理事等会社内の異動に伴い、新任の理事として日清オイリオグループの山内勝昭執行役員、明治の高橋久尚執行役員、明治屋の松沢幸一社長、雪印メグミルクの川﨑功博常務執行役員が、監事ハウス食品グループ本社の柴田亮広報・IR部長が、それぞれ就任した。

平成29年度の第26回輸入食品衛生管理者養成講習会は東京と大阪で開催し、合計128人が受講した。また更新研修会は東京・大阪・福岡で開催し、合計506人が受講した。

今年度の第27回輸入食品衛生管理者養成講習会は10月29日~31日に東京会場(東京ダイヤビル5号館)で、11月13日~15日に大阪会場(大阪社会福祉指導センター)で、それぞれ開催する。受講料は協会会員が53,000円、非会員が83,000円。

更新研修会は11月7日に東京会場(砂防会館)で、11月12日に大阪会場(大阪社会福祉指導センター)で、11月22日に名古屋会場(安保ホール)で、それぞれ開催する。受講料は12,000円。

〈冷食日報 2018年6月13日付より〉

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