さば缶詰が売れている。数年前にテレビ番組で取り上げられたことからブームとなったとされるが、それが一過性に終わらず続いている。

日本水産によれば、水産缶詰・びん詰の国内生産数量は、全体としてはゆるやかに右肩下がりだが、「さば」に関してのみ、17年は15年比22%増と伸びている(日本缶詰びん詰レトルト食品協会の統計)。

〈4~6月売上は前年比72%増/日本水産〉
さらにそこから、同社におけるこの第1四半期(4~6月)のさば缶詰の売上は前年比72%増と「ヒートアップ」(浜田晋吾取締役常務執行役員)しており、中でもシールのようにはがすだけで簡単にオープンする缶ふた、アルミ製の「スルッとふた」を採用し、簡便性も高めた「スルッとふたSABA」シリーズが好調だという。

ブームの要因として、手ごろな価格でありながら、EPAやDHAといった健康に良いとされる成分が豊富に含まれていることが挙げられる。また、糖質制限がブームからひとつの食生活スタイルとして定着する中、サラダチキンの市場が大きく拡大しているのと同様、高たんぱく・低糖質のさば缶詰への注目も高まっているものと考えられる。

一方、原料のさばは水産資源の中では供給が安定的な“優等生”ではあるのだが、急激な需要増で各社が確保していた原料では足りず、高い相場の原料を手当てせざるをえなくなり、値上げの動きも出ている。

また、日本水産・浜田常務によれば、今や日本産の冷凍さば輸出が漁獲の50%以上にまで増加しており、秋以降の漁獲によっては原料価格の動向は不透明だそうだ。豊漁でさらなる市場拡大に繋がることに期待したい。

〈食品産業新聞 2018年8月20日付より〉