CVS(コンビニエンスストア)の冷凍食品が引き続き伸長している。従来、CVSのデリカは常温・チルドの惣菜・弁当およびカウンター周りのスナックが中心で、冷凍食品は「アルミ鍋の鍋焼きうどんと氷だけあればよい」市場と言われてきた。それが近年、大手CVS3社とも、PB(プライベートブランド)を中心に、冷凍食品の品目を拡大し、売場も拡大傾向にある。有職女性の増加や、世帯が少人数化する中、各社がSM(スーパーマーケット)の代替需要を取り込もうとする中で、冷凍食品を1つの武器として積極的に活用するようになっている。

セブン&アイホールディングスによれば、PB である「セブンプレミアム」の冷凍食品(SM向けも含む)の売上が、08年の発売当初と比べ5倍以上に拡大したという。また、ローソンによれば、CVSの冷食市場は、17年度に10年度比325.5%と7年間で3倍以上に拡大しているという。まだまだSM 中心の市販用冷凍食品の中で、CVSが占める割合は大きいとは言えないが、伸長率には目覚ましいものがある。今期の下期以降も、各社が冷凍食品でさまざまな施策を実施する。

セブン-イレブン・ジャパンは、客層・食場面の拡大を図る一環として、冷凍食品でカップ型の新しい容器形状・容量を採用した米飯「セブンプレミアム 炒め油香るチャーハン」「同 バター香るエビピラフ」(各170g/213円税込)を11月20日に、関東・東北の約7,000店舗で先行発売する。冷食における即食ニーズを捉えるとともに、これまで夜間中心だったCVSの冷食需要を、昼食ニーズにまで拡大する構えだ。仙台東地区84店舗でのテスト販売では、チャーハン/ピラフの販売が5倍に拡大したほか、従来品と比較し昼・朝にも販売が伸び、新しい食場面客層の拡大に繋がる結果を得ているという。

同社では今年上期、3月に「7プレミアム すみれチャーハン」、6月に「蒙古タンメン中本汁なし麻辛麺」と、有名店とコラボした冷凍食品を立て続けに発売。石橋誠一郎取締役執行役員商品本部長によれば、「すみれチャーハン」は、発売4週間平均で1店舗当たり2.1個/日を販売し、既存チャーハン商品の4倍の販売数に拡大。さらに「蒙古タンメン中本汁なし麻辛麺」は発売4週間平均で1店舗当たり3.7個/日で、購買データでは、3月~5月に冷凍食品の購買履歴がなかった人の購入が39.7%と、新規顧客の開拓に成功。石橋本部長は「今まで冷食を購入していなかった若年層男性に届く施策を行い、その層の冷食購買が一気に変化し、著しく伸びた。きっかけづくりでどんどん拡げられる手応えを得た」という。

ファミリーマートは、「女性の消費」に注目し、CVS惣菜需要の高まりを受けて昨年9月から展開する「お母さん食堂」ブランドの惣菜・冷凍食品を充実させる。佐藤英成商品・物流・品質管理本部長によれば、女性客の構成比は年々、徐々にではあるが増加傾向にあり、13年の40.8%から17年は42.7%へと上昇。また、共働き世帯の増加で、CVSにおける買い物も、従来の「自分用」から、「家族全員分」といった2人分以上の家族のための買い物が増加し、CVSの役割が変化しているという。

それを捉えた例として、「お母さん食堂」ブランドの動きがある。同社の分析では、全体の平均客単価が573円であるのに対し、「お母さん食堂」購買者の客単価は、買上げ点数が増えることなどから1,349円と2倍以上にのぼり、SMの推計平均客単価1,902円に迫るという。佐藤本部長は「客単価上昇のためには惣菜と冷食の強化がカギになる」と言う。ローソンは今年度下期、冷凍食品で個食・即食メニューを拡充。藤井均商品本部長は「品揃え、販促において、現在CVSのコアでもある朝・昼の市場を守るとともに、SMの代替需要を取り込む夕・夜間を強化する」という方針を示し、夕食おかずの品揃え強化の中で、冷凍食品も強化するとしている。

その一環として、ひとり飲みに合わせたおつまみを拡充するほか、「麺屋武蔵」とタイアップした「ニチレイ 麺屋武蔵 焼おにぎり」や、長年同社の冷食売場で販売してきた「ナガラホルモン鍋」とタイアップした「キンレイ ホルモンうどん」という、オリジナルタイアップ商品を投入し、売場の話題性を高める。同社によれば、上期(3~8月)の冷凍食品売上高は前年比15%増と伸長。冷凍フルーツや、「ナチュラルローソン」ブランドで展開(通常のローソン店舗でも取扱)する糖質オフ、もち麦使用などの健康志向メニューなどの動きが良いという。

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〈冷食日報 2018年10月26日付より〉