マルハニチロが1月15日、オンラインで開催した新商品発表会であいさつした池見賢社長、食品部門を統括する半澤貞彦取締役専務執行役員は要旨次のように話した。

池見社長=昨年来、コロナ禍の影響で予測不能な混迷な時代にある。企業に求められるのは、社会の変化を予測し対応していく力に加え、予測不能な状況を踏まえ先んじて自ら変化し対応していく、そして社会変化のきっかけを作っていく力だ。11都府県で緊急事態宣言が発出され、人々の消費行動、意識はいまなお新しい変化を続けている。食品を生業とするものとして、人々の暮らし、健康にどう貢献できるか真価が問われている。こうした時代だからこそ、人々の生活、気持ちに寄り添える企業でありたいと強く思う。

今年初めには冷食・缶詰を題材とした企業CMをリリースした。CMでは「家族の物語とともに」というキャッチフレーズを使い、人々の何気ない日常と、その中でだれかを思う人の心に寄り添う、マルハニチロの姿を表現している。人々の生活、気持ちに寄り添いながら、お客様ひとり1人が求めるものを追求する。そしていついかなるときも安全で良質な食を安定的にお届けする責務を我々は全うして参る。今回披露する新商品も、介護食をはじめ、そうした思いから生まれてきたものだ。

〈2021年は冷凍惣菜品の開発を強化、バイオマス発電導入も〉
半澤専務=2020年は未だ収束の兆しが見えないコロナ禍により事業環境は厳しいものとなり、食品部門も大きな影響を受けた。働き方が変わり、食事する場所・人数も制限された影響で、内食需要が高まった一方、外食・給食などの業務用ルートの経済活動が停滞した。

当社の事業では、市販用冷凍食品、缶詰などの加工食品は保存性、即食性、簡便性などが再認識され需要が高まり、従業員の安全を確保した上で、2020年より継続して増産に努めてきた。

一方、業務用食品は、かつて経験したことのない大変厳しい状況が長く続いている。しかし、新たにテークアウト需要が生まれ、コロナ禍の中でも、お客様・お取引先様のお役に立てる商品の開発・提供について皆で知恵を出し合いながら手探りで進んできた1年となった。

2021年の新商品開発は、前年に移転した新東京開発センターで、それまで別々の場所で活動していた専門性あるスタッフの力を一堂に結集し、精力的に取り組んできた。

2020年秋はコロナ禍の影響もあり、発表を見送る商品も多数あった。今回の新商品は計79品で、2020年春46品、2020年秋24品と比べ大幅にアイテム数が増加している。2020年秋新商品の発売をすべて見送ったメディケア食品部門で、このような環境下だからこそ医療従事者の皆様、自宅介護の皆様の負担軽減に繋がるセットメニューを開発。1日3食・2週間毎食異なるメニューが食べられるよう、合計42品の商品を発売する。同部門が1シーズンに発売する新商品として過去最多となる。コロナ禍の下、お客様の生活に役立つ、必要とされているものは何なのか考え抜いて商品を企画し、試作を重ねて開発した担当者の想いが詰まった商品だ。

2021年も不確実性が増していくと思われる。しかし、さまざまな課題にチャレンジし続け、皆様の健康に役立つ食を安定してお届けすること、また環境問題も重要なテーマだ。2021年はマーケットニーズに沿った生産体制とすべく、家庭内食需要の高まった冷凍惣菜品の開発強化、CO2削減を実現するバイオマス発電設備の導入を予定している。

〈冷食日報2021年1月22日付〉