日本ハム冷凍食品の2020年度(2021年3月期)業績は、増収増益で着地した(前年の2019年度売上高は139億円)。2021年4月に就任した伏見浩二社長が6月3日、オンラインで記者会見し、業績や方針などについて話した。

伏見社長によれば、2020年度の国内調理冷凍食品市場は前年比109%(SCIデータ)で着地。から揚げ、とんかつ、ハンバーグなど畜肉惣菜、餃子・焼売など中華惣菜、スナック、麺、米飯などが軒並み前年より伸長した。

業績も、コロナ禍のステイホームによる内食需要増加や、昨秋発売した食卓向けおかずの新ブランド「シェフの厨房」シリーズや、「ちっちゃなチーズハットグ」、フライドチキン類などのスナックカテゴリーが好調だったという。

利益面では、コロナ禍による営業活動の変化で経費が下がったことも増益要因になった。

ナショナルブランド商品のカテゴリー別販売実績で、「中華惣菜(食卓品)」は前年並。「中華の鉄人 陳建一」シリーズで、売場でのコーナー展開を推進。最大ボリュームの「国産豚の四川焼売」が、焼売カテゴリーの競合増加でやや苦戦したが、それに次ぐ「小籠包」が伸長し、全体では前年並となった。

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「畜肉惣菜(食卓品)は2ケタ増。2020年秋発売の「シェフの厨房」が「鉄板焼ハンバーグ」中心に好調で、食卓向けハンバーグが2ケタ増となった。

「シェフの厨房」シリーズでは、「鉄板焼ハンバーグ」が最も好調で、味や大きさが好評で、消費者の問い合わせも多いという。次いで「チキンステーキ」が好調で、同様の商品が市場にほとんどなかったこともあり、特に得意先の評価が高いという。

「スナック類」は大幅伸長。昨秋発売の「ちっちゃなチーズハットグ」が好調で、クリスマス販促等で12月に売上がピークとなり、2021年3月の春休みもそれに次ぐ販売実績を挙げたという。

また、2020年から取り組む小売向け業務用商品が、スーパーで業務用商品コーナーが拡大傾向にあることも受けて好調。2020年5月から日本ハム本体の商品を共有して販売していたが、12月から日本ハム冷凍食品の冷凍食品売場専売品を展開。日本ハム商品は精肉売場で展開し、それぞれが適した売場で対応しているという。現在同社専売品は、2020年秋に発表していた「アンデス高原豚ローストンカツ」「アンデス高原豚ヒレカツ」のほか、ピザ、ハンバーグ、から揚げ、アメリカンドッグなどで展開しているという。

アレルゲン対応「みんなの食卓」シリーズは前年並。日本ハム冷凍食品では市販用冷凍食品として2017年5月から約4年間にわたり展開し、直近で取扱店舗は前年比130%に拡大。店頭で大量販売する商品ではないが、必要とする人のためにも粘り強く販売拡大を続けるという。

一方、弁当品はコロナ禍による休校などの需要減で苦戦し、前年割れだったが、弁当品で売れ筋ナンバー1の「黒豚やわらかひとくちかつ」など、商品によっては前年を上回った。

なお、2020年度のナショナルブランド商品売れ筋トップ3は
〈1〉中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売
〈2〉黒豚やわらかひとくちかつ
〈3〉中華の鉄人 陳建一 小籠包

2020年秋の新商品売れ筋トップ3は
〈1〉シェフの厨房 鉄板焼ハンバーグ
〈2〉シェフの厨房 チキンステーキ
〈3〉ちっちゃなチーズハットグ
――の順だったという。

〈弁当品から中華・畜肉惣菜にシフト、スナック・丼の具も強化〉
2021年度もコロナ禍の影響で目まぐるしい状況だが、ニッポンハムグループが新中期経営計画の骨子「Vision2030」のテーマを「たんぱく質を、もっと自由に。」としていることもあり、たんぱく質原料を有効的かつ効率的に無駄なく活用し、家庭でお店の味を味わえる商品を強化する。「中華の鉄人 陳建一」シリーズと「シェフの厨房」を二大ブランドに位置づけさらに販売強化し、中華惣菜・畜肉惣菜カテゴリーでのシェア拡大していく。

今期〜来期にかけて、弁当品の既存ボリュームを維持しながら中華・畜肉の食卓惣菜にシフトを図るとともに、新商品の反応が良いスナック系や丼の具といった商品にも力を入れる方針。

〈冷食日報2021年6月8日付〉