フードデリバリー「foodpanda」、食品などのネット販売専門店を東京でも開始

店舗のスタッフがピッキングして配達員に商品を受け渡す
〈約2,000品目を取り扱い将来的には100拠点を目指す〉
フードデリバリーサービス「foodpanda」を展開するDelivery Hero Japan(デリバリーヒーロージャパン)は11月2日、接客を行わない食品などのネット販売専門の小売店「pandamart(パンダマート)」で、初となる東京の拠点を開設した。冷凍食品や飲料、日用品など約2,000品をそろえる。現在は酒類を扱っていないが、12月末頃を目途に販売を予定している。

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食品から日用品まで約2,000品をそろえる

食品から日用品まで約2,000品をそろえる

 
同日行われた説明会で、新規事業開発本部の佐藤丈彦本部長は「(デリバリーは)高いというイメージがある。それの払拭にもなれば」と語った。
 
ネット販売専門の小売店は「ダークストア」と呼ばれ、海外ではサービスが広がり始めている。日本でも「pandamart」が2021年7月に神戸市内でサービスを開始し、2021年8月には「OniGo(オニゴー)」がサービスを開始している。
 
「pandamart」は現在、大阪や名古屋、京都などに拠点を設けており、今回で7店舗目となる。渋谷の店舗の面積は約320平方メートルで、一般的なコンビニより1.5倍ほどの広さを持つ。一般の人は訪れることはできない。注文は「foodpanda」のアプリ上から行う。配達可能なエリアは拠点から半径4キロほどで、渋谷区や目黒区、港区、新宿区が範囲に含まれており、注文から約30分で商品が届く。
 
11月15日までは配送料が無料になるキャンペーンを行っており、通常時は一律220円の配達料がかかる。現在の商品数は約2,000品目で、冷凍食品や飲料、レトルト食品、菓子類、ペット関連商品など幅広い。現在は食品と非食品の構成は約半分となっているが、将来的には「生鮮食品も販売し、品ぞろえをより拡充したい」(佐藤本部長)と意気込む。
 
好調な商品は、2リットルの水やトイレットペーパーといった大型の商品が順調に推移しているという。冷凍食品も全般的に堅調な推移を見せているようだ。
 
価格は、自社で出店しているためコントロールができているという。「コンビニよりはリーズナブル」(佐藤本部長)と話す一方で、「目指すのはスーパーの価格。もう少し勉強したい」と語った。
 
短時間で商品を届ける「Qコマース」の取り組みは日本でも広がり始めている。「OniGo」だけでなく、セブン-イレブン・ジャパンでも店舗の商品を注文から最短30分で届けるサービスに力を注いでいる。フードデリバリー各社でも、コンビニや小売店、ドラッグストアなどの加盟を進めている。
 
デリバリーヒーロージャパンによれば、時期は明かさなかったものの、「pandamart」は100拠点の開設を目指している。
 
世界のBtoC‐EC化率は18%と言われる中、日本の食品EC化率は8%ほどでまだまだ低い。佐藤本部長は、この市場を「まだまだ開拓すべきだと思う」と述べた。
 
〈冷食日報2021年11月4日付〉