2017年上半期はサントリー、キリン、アサヒ、タカラの4社でRTD(Ready to Drink)商品がリニューアルを含め132商品が発売された。全酒類中圧倒的にナンバーワンの数量だ。各社こぞって新商品を発売するのは、もちろん市場が伸びているのは当然のこと、ビールや日本酒、ワインのように制約が少ないからということが挙げられる。

アルコール度数が10%未満であればある程度素材やベースアルコールに自由が効き、大きな市場から細かいニーズまでカバーできるため、流行るのも当然の理だ。「RTD」の通り、サクッと飲めるのも伸長の大きな要因となる。

各社動向としては定番ブランドの強化や派生商品の発売といった動きが盛ん。暑くなるこれからの季節はより一層の商品の広がりと成長が期待できる。

顧客層が最も厚く、伸び率も大きな「ストロング系」としてはサントリーが「-196℃ストロングゼロ」で果実感を訴求したものと食事との相性を訴求したもので「2軸戦略」を構え、牙城を一層強化に図る。

キリンも「氷結ストロング」の期間限定商品での拡充や「ビターズ」での提案方法の一新により同カテゴリーでの強化を図り、宝酒造も40~50代から支持を集める「焼酎ハイボール」でレギュラー商品に加え、期間限定商品での展開を強化し、若年層からの評価が高い「強烈」シリーズで一層の強化を図る。

アサヒビールは6月に発売した「ウィルキンソンRTD」ブランドから「ハード 無糖ドライ」を発売。TVCMには松田優作を起用し、「“甘くない”と“全く甘くない”は全く違う」のコピーで他3社との違いを打ち出し、ユーザーの取り込みを図る。

「ストロング系」と共に大きな市場を持つのは「果実感」を訴求した商品だ。

キリンは「旅する氷結」を3月から発売した。「若年層にお酒を楽しんで頂きたい」という考えの下開発され、世界各国のフルーティーなお酒をモチーフとし「氷結流」にアレンジした商品で、当初の狙い通り20~30代の若年層に支持され、当初目標の2倍にあたる130万箱の出荷を目標としている。

サントリーは同カテゴリーでは高価格帯となるの「こくしぼりプレミアム」で同カテゴリーの提案を行う。同シリーズは果汁と果実を用いた浸漬酒や蒸留酒などを加えることで更なる果実感とコクを実現。小売希望価格170円としながらも、「+α」でユーザーへ「プレミアムRTD」の魅力を訴求する。

宝酒造は果実感の訴求に加え「産地」「品種」と言った別軸での提案も積極的に行っており、「直搾り 日本の農園から」シリーズを続々と投入している他、5月に発売した「産地の恵み 小笠原島レモン」は希少な母島産の島レモンを贅沢に使用した商品。希望小売価格が230円とRTDでは高級品になるが、量販店の他、料飲店でも好評を博している。

アサヒビールは昨年発売し、同社市場最高出荷量となった「もぎたて」を3月にブラッシュアップ。より一層の果実の「フレッシュ感」を実現。リニューアル効果もあってか、前年比81%増と絶好調だ。より新しいものを、より刺激的な提案を人は求めてしまうが、その期待にも答えてしまうのが「RTD」というカテゴリー。今後の発展と「驚き」を期待したい。