地下鉄5路線が乗り入れ、一日あたり約33万人が利用する大手町駅直結の商業施設OOTEMORI(オーテモリ)地下2階。早朝から深夜まで、人々が慌ただしく行きかう通路に面した「CAFE & BAR TAMEALS(タミルズ)大手町店」に一歩入れば、開放感のある高い天井とゆるやかな空気に、ターミナル駅の喧騒を忘れる。「タミルズ」という店名は、駅(Terminal)と食(Meals)を組み合わせた造語だ。駅はただ通過する場所と思われがちだが、「人が集まり、活力を得てまた旅立てる場所にしたい」と同店店長三澤康幸さんは言う。いわば、駅直結のサードプレイス。出勤前や帰宅前に、ほっと一息つける場所。

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平日朝7時から24時までの通し営業だから、通勤途中にミカフェート社監修のストレートコーヒーを、遅いランチやティータイムにと、さまざまなシーンで使える。ハッピーアワーが午後2時からというのも、見逃せない。好みのお酒一杯とおつまみ一皿が選べて980円~。17時を回ると、近隣のサラリーマンでにぎわうが、一番混み合うのは22時から終電までというのも駅直結の立地ならでは。飲み足りない、話足りない酔客らで満席になることもしばしばだという。
「CAFE & BAR TAMEALS 大手町店」店長・三澤康幸氏

「CAFE & BAR TAMEALS 大手町店」店長・三澤康幸氏

バーテンダーだった三澤康幸店長は、クラフトビールの大ファンでもあり、お店からその魅力を伝えたいと考えていた。だが、ボトルビールは10種類そろえたものの、樽生はスペースの問題もあり、3種類が限度。樽の扱いや鮮度、在庫管理を考えると、むやみに手は広げられない。

忸怩たる思いでいたところ、キリンがクラフトビール4種類を1台で提供できる小型ディスペンサー「タップ・マルシェ」の展開を始めたことを知り、即導入に踏み切った。

3L小型ペットボトル容器4本が1台に収まったディスペンサーなら、カウンターの上にもすっきりと収まる。複数のビールから好みの4種類を選べ、銘柄はいつでも変更できる柔軟性の高さ。そして、誰にでも使えるシンプルな構造。さらに、「ボトルより発注が簡単で、在庫管理も楽になった」と三澤さん。

 

〈樽詰めビールが8割に、「料理とのペアリングも勧めやすい」〉
導入直後は「タップ・マルシェ」のラインナップを差し込みメニューで紹介したが、グランドメニューに入れたとたん、クラフトビールのオーダーが倍増。導入前はボトルビールが8割だったが、今では樽詰めビールが8割を占めるまでに逆転した。「早い時間は女性客が多いので、ホワイトビールやフルーツビールが人気です。ワインやカクテルより低アルコールだからか、お代わりをされる方も増えました」。

「496」「コープランド」など、スタイルの異なる4種類のクラフトを、すべてハーフパイント580円からで提供する。量や価格のハードルを下げることで、「選ぶ楽しさ」も提案。量は飲めないけど、いろいろ試してみたい女性客や、空き時間に軽く飲みたい「おひとりさま」客にも好評だ。

樽詰めビールが8割に、「料理とのペアリングも勧めやすい」

「クラフトビールを頼んだお客様は、どれにしようか、どれがおいしいかと、会話が弾む。そんな姿を見ているだけで、こちらもうれしくなります」。さらに、「ひとつひとつ個性の異なるクラフトビールだと、料理とのペアリングが勧めやすい」のもメリットのひとつ。必然的にオーダーが増え、タップ・マルシェ導入後の客単価は、2ケタ増で推移する。

クラフトビールの認知が広がるなか、ビールを目的に来店する人も増えた。「選ぶ楽しさ」や料理とのペアリングの幅をさらに広げたいと、「タップ・マルシェ」の増台も検討している。

お勧めのペアリングは、SVB の「496」にバックヘンデル(ウィーン風フライドチキン)(8P/1,280円)、同じくSVB「コープランド」には自家製のザワークラフト」(480円)だ。

〈酒類飲料日報 2018年1月17日付より〉


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