本格焼酎の出荷 霧島・雲海好調で宮崎はプラス 鹿児島は減少も”西郷どん”に期待

九州7県の乙類焼酎製成と出荷(課税移出)数量 17年1~12月累計 ※九州本格焼酎協議会の統計を基に本紙が算出。数量は25度換算
〈前年比プラスは宮崎・福岡のみ/17年九州本格焼酎の出荷動向〉
九州本格焼酎協議会がまとめた2017年1月~12月の九州7県における本格焼酎出荷数量(課税移出数量)は、合計で前年比98.3%の40万1,465klで着地した。県別で前年を超えたのはトップの宮崎(101.4%)と福岡(102.8%)のみで、2位の鹿児島は94.9%、3位の大分は96.8%といずれもマイナスとなった。

好調な宮崎だが、霧島酒造は今期もプラスで推移し、11月からは全国消費者キャンペーンとして、俳優の松坂桃李氏を起用したTVCMや販促物などを展開してきた。雲海酒造も3月21日に全国発売をスタートした「木挽BLUE」の好調が寄与し、前期はプラス着地となった。

2018年は明治維新150周年を迎え、NHK 大河ドラマ「西郷どん」もスタートした。奄美群島の世界自然遺産登録も期待されており、「この機会をとらえ、鹿児島県産本格焼酎のPR に業界一丸となって努めていきたい」(鹿児島県酒造組合濱田雄一郎会長)と、鹿児島の巻き返しが期待される。一方で、霧島酒造は主力商品「黒霧島」が20周年の節目の年で、8月には志比田第二工場の稼働も予定しており、宮崎が引き続き伸長するのはほぼ間違いなさそうだ。

〈酒類飲料日報 2018年2月16日付より抜粋〉

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