「キリン・ザ・ストロング」シリーズ新発売、600万箱目標―キリン

4月10日発売「キリン・ザ・ストロング」シリーズ
〈ストロング市場のど真ん中を狙う高刺激、飲み応えのストロング〉
キリンビールは4月10日からRTD新商品「キリン・ザ・ストロング」シリーズを発売する。フレーバーは「ハードドライ」「ハードレモン」「ハードコーラ」(各500ml缶、350ml缶/オープン価格)の3種類。

同商品は同社RTDで最も強い「ハードな炭酸感」、グッとくる「うまみ」をもたらす、新開発“ハードエキス”(特許出願中)を使用した「ハードな味わい」、クリアウオッカを使用しアルコール分9%に仕上げた「ハードなアルコール感」という、「トリプルハード製法」で実現した、ハードな刺激と飲みごたえが特長の商品。

パッケージについては同社RTDで初めて“聖獣”を取り入れた、力強く、堂々としたデザイン。ブランドカラーである黒色をベースに、“聖獣”と商品名、フレーバー名を目立つように配置し、おいしさや品質感を強調している。

商品が発表された2月28日に記者会見を開催。山形光晴マーケティング部部長が登壇し、2017年の同社のRTD事業の振り返りや2018年の戦略、「キリン・ザ・ストロング」の発売の経緯や詳細な商品説明などが行われた。

キリンビール マーケティング部 山形光晴部長

キリンビール マーケティング部 山形光晴部長

山形部長=昨年の当社のRTD商品の出荷数量は5,290万箱(250ml×24本換算)となり、2012年から6年連続でプラスとなった。特に「氷結」シリーズは3,890万箱で過去最高販売量を更新。「氷結ストロング」も前年プラスとなった。「本搾り」についても好調に推移し、960万ケースで着地することができた。

2018年のRTD市場は全体の出荷数量で1億9,000万箱を超える見込みとなっており、まだまだ高い水準で成長を続けている。その中で上位5ブランドが出荷数量全体のうち6割を占めており伸長を牽引。また、増加の要因としてはビール類を中心とした他の酒類からの流入や、「家飲み」需要の増加などによるものが考えられる。

そういった状況を勘案し、飲用人口が拡大しているユーザーを十分に理解した上で、多様化するニーズに応えていくために、既存ブランドの安心感をベースに様々な新しい提案で「選ぶ・飲む」楽しさを提案するほか、ヘビーユーザーの更なる期待に応えた新価値提案で、ストロング市場での選択肢の拡大を図っていく。

基本方針としてはユーザーから既に強く支持されている「氷結」と「本搾り」から飲み方の提案を含めた様々な提案を行い「選ぶ・飲む」楽しさを提供。ストロング市場においては「氷結ストロング」と今回発売する「キリン・ザ・ストロング」で商品の選択肢を拡大する。しっかりと新価値を訴求し、ニーズに応えていければと考えている。

〈新価値軸「ハード」に着目、刺激に加え「味わい」や「飲み応え」を実現〉

ストロングRTDについて我々が行った調査の結果、ユーザーの7割が「美味しさの進化」を期待しており、これは我々としてもまだまだ進化できると考えている。また、ストロングRTDには「強炭酸」や「飲み応え」という項目にユーザーの期待が集まっている。

そんな中当社は「ハード」と言う新価値軸に着目。ただ「刺激が強い」と言うことのみならずそこに「味わい」「飲み応え」を付加することで他社製品との差別化を実現。メインターゲットとして設定するのはストレスフルな毎日を送っているであろう40代男性。短時間で気持ちよく酔えて、1日の疲れをリセットしてくれる商品にニーズがあるのではないかと考えた。

そこでハードな刺激と飲み応えで1日を気持ちよくリセットするストロングRTD「キリン・ザ・ストロング」を発売。特徴である「トリプルハード製法」だが、これは同社RTD商品の中でも炭酸は最強レベルのガス圧を設定(ハードレモン・ハードコーラ)。

また、複数の柑橘類から製造され、うまみを凝縮した「ハードエキス(特許出願中)」を使用することで、味の中間にしっかりとした味わいが感じられる骨格を実現。また、ストロングRTDの弱点でもある「アルコール臭さ」も低減させることに成功した。ベーススピリッツには後切れが爽快なクリアウオッカを使用し、嫌みのないハードなアルコール感が特長となる商品に仕上げた。

パッケージの「聖獣」は当社RTD商品史上で初めてデザインされたもの。発表前に行った調査では「新しい取組を始めるというキリンの本気が伝わった」「現代的でかっこいい」「進化したイメージ」と言うような意見が寄せられている。

コミュニケーションについては発売期に6,000GRP の広告を投入するほか、発売3カ月で120万本の大規模なサンプリングを行い、競合他製品との違いを認知してもらう。商品展開についても新フレーバーを続々投入させ、ユーザーの選ぶ楽しさを提供していく。

また、同じくストロングRTDである「氷結ストロング」との差別化としては「氷結ストロング」はスッキリ飲みやすい果汁ストロング、「キリン・ザ・ストロング」はこれからのストロング市場のど真ん中を狙う高刺激・飲み応えのストロングとして棲み分けを行い、共にニーズが高い領域に対しユーザーに満足いただけるラインアップで応えていく。

今年のRTD商品の売り上げ目標は計6,000万箱で2017年比13.4%増。もちろん過去最高の販売量となる。その中で「キリン・ザ・ストロング」は発売から年内600万箱を目標とし、販売活動に努めていく。

〈酒類飲料日報 2018年3月1日付より〉

 

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