白鶴酒造は4月1日、神戸市の「白鶴酒造資料館」をリニューアルオープンした。常設型プロジェクトマッピングシアターを導入するとともに、同社の取り組みや日本酒と日本酒文化についての新たな展示ブースを設けた。同社ではこれを機に、今まで日本酒を飲む機会が少なかった若い世代や女性、海外の日本酒ファンに、より日本酒を身近に感じてもらうことを目指すとしている。
「白鶴酒造資料館」(神戸市東灘区)

「白鶴酒造資料館」(神戸市東灘区)

同資料館は、大正時代に建造された酒蔵を利用して1982年に開館。等身大の人形を配して昔の酒造りを再現した展示が人気で、年間14万人が来館している。今回のリニューアルに合わせて、資料館の入口に積まれていた菰樽も新しいものに一新した。

新たに設けた展示スペースでは、「農産物からできていることを知ってもらいたい」(同社)と、お酒が米からできることが分かる内容の動画を放映し、その前面には本物の稲が植えられている。

展示スペースには本物の稲が植えられている

展示スペースには本物の稲が植えられている

酒造りの工程を等身大の人形で紹介するコーナーでは、巨大な甑(こしき)で蒸しあがった米を運ぶシーンを再現しており、米の湯気を表現するため、超音波で水蒸気を発生させる演出を新たに取り入れた。また、日本晴、兵庫夢錦、渡船、吉川町の山田穂と山田錦の実物の稲を展示し、削った米を精米歩合別に陳列している。

巨大な甑(こしき)で蒸しあがった米を運ぶシーンを再現

巨大な甑(こしき)で蒸しあがった米を運ぶシーンを再現

削った米を精米歩合別に陳列

削った米を精米歩合別に陳列

プロジェクトマッピングシアターは、旧映写ホールに新たに設置した。縦2.8メートル、横4.5メートルの迫力あるパノラマスクリーンを通して、四季移ろう原風景の中で、灘の酒造りを、「観るだけでなく、体感することができる」(同社)。また、日本語の音声に対し、英語と中国語の翻訳を字幕で同時に表示する。

映像はカウントダウン5分、本編6分を常時上映しており、予約をせずに自由に観ることができる。カウントダウンは、「海外の来館者も多いので、言葉がなくても日本の四季が分かるように」(同社)映像のみで表現。本編開始までの間に買物などができるように、カウントダウン形式で時間も表示される。

本編では、同社の歴史や2007年に「白鶴錦」を開発、07年に「白鶴銀座天空農園」を開設、08年に「御影サロンMUSE」をオープンなど、最近の取り組み、パリ万博に瓶詰め酒を出品して以来、現在では世界50カ国で同社のお酒が親しまれていることなどを紹介する。

プロジェクトマッピングを導入した理由として同社は、「映写ホールは震災前から使用しており、登場する商品や建物を新しくしたかった。これまでの映像は、当社の商品のPRばかりだったが、様々な人が楽しめる内容にした」と説明。また、セミナーや講演会などにも利用することができるという。

〈酒類飲料日報 2018年4月9日付より〉

【関連記事】
白鶴酒造と日東薬品工業、ヨーグルト風味の「乳酸菌の入った甘酒」を共同開発
白鶴酒造「日本酒でマリアージュ」、“さっぱり料理”、“こってり料理”に合わせた2タイプを展開
白鶴酒造、地域社会応援サイト「白鶴丸が行く」開設
純米吟醸酒の出荷量、初めて本醸造酒を上回る/17年の日本酒動向
1人あたり酒類消費 県別トップ5は東京・高知・宮崎・青森・秋田 大阪・新潟は陥落