昨年6月の酒税法改正の影響もほとんど受けず、好調を保ち続ける低アルコール飲料だが、本紙が推計した今年1~5月の各社の出荷数量は合計で約8089万ケース(250ml×24本換算)となり、昨年同期比で10.8%増となった。

〈大手4社が新ブランド発表、“最後発”サッポロビールも「りらくす」で参入〉
今年の各社の動向としては大手4社(サントリー、キリン、アサヒ、宝酒造)が既存商品のさらなるブランド力強化を発表するほか、育成に時間がかかるとされている新ブランドを相次いで発表。また、記者会見で自身を「最後発」と評したサッポロビールが「りらくす」で本格的に低アルコール飲料市場に参入したことや、コカ・コーラシステムが同社初となるアルコールドリンクとして「檸檬堂」を九州地区限定で発売。テレビCMにはかねてから同社の「い・ろ・は・す」に出演する俳優の阿部寛さんを起用したことも相まって、関係者の注目を集めている。

〈商品は「ホンモノ感」訴求の傾向 〉
個性豊かな商品が続々と発売される低アルコール飲料市場だが、傾向としては「ホンモノ感」を訴求した商品が多く、例えばサントリー「ザ・カクテルバー・プロフェッショナル」や、合同酒精「カクテルラウンジ」はバーで飲むカクテルを再現し、家でも手軽に本格的な味わいが楽しめる商品として発売。両ブランドで「ジントニック」を発売したが、原酒から果汁の量までこだわって作られ、バーで飲むジントニックに引けをとらない味わいが印象的だ。

宝酒造「極上レモンサワー」やコカ・コーラシステム「檸檬堂」は居酒屋で飲むレモンサワーを再現したような味わいが特徴。昨今外食市場を中心に賑わいを見せている「レモンサワー」が家庭でも飲めるとあって、両商品とも消費者からは高く評価されているようだ。

アサヒビールの「贅沢搾り」は「もぎたて」で培われた技術を応用し、圧倒的な果実感を実現。まるで本物の果実を食べているような“ホンモノ感”が楽しめる商品で、発表記者会見には同社の平野伸一社長も登場し「『もぎたて』『ウィルキンソンRTD』に次ぐ三本目の柱にする」と意気込みを語った。

また、「アルコール臭の低減」も注目すべき点で、サッポロ「りらくす」はフルーツビネガーを用い、同社独自の「サッポロりらくす製法」を採用することで8%と高アルコールながらも飲みやすい口当たりを実現。女性からのニーズに応えた商品で、プロモーションにはフリーアナウンサーの田中みな実さんを起用したWEB動画を制作。田中さんと同年代の女性に商品の魅力を訴求する。

キリン「キリン・ザ・ストロング」も9%と高アルコールながら純度の高いクリアウオッカを採用したことや、複数の柑橘類から製造され、旨味を凝縮した「ハードエキス」を使用することでアルコール臭さを克服。POSデータ上でも好調に推移している。また、プロモーションは俳優の西島秀俊さんを採用し、40代以上の男性から支持を集める。

〈食品産業新聞 2018年7月16日付より〉