未発表のメーカーもあるが、灘・伏見の大手清酒メーカーの秋冬の新商品が概ね出揃った。傾向としては、ボトル缶、糖質ゼロ・オフ、ストロング清酒が目立つ。

新容器の提案は、2011年にパウチやペットボトルが登場して話題を集めたが、終売された商品もあり、結果的に見ると残念ながら失敗に終わったと言える。今回のボトル缶は、簡易にリキャップでき、携帯性にも優れているため、アウトドアや旅行といった幅広いシーンでの飲用訴求が可能だ。この分野で先行するのは日本盛で、「生原酒ボトル缶」は利便性に加えて、生原酒という付加価値を上乗せしたことで好調を維持している。昨年に続き、10月15日から来年3月末までの期間限定で、「日本盛 燗酒180mlボトル缶」も発売する。

白鶴酒造は8月31日、「白鶴 大吟醸生貯蔵酒 ボトル缶 180ml」を新発売する。今年で発売35周年を迎えた「上撰 白鶴 生貯蔵酒」のシリーズ商品となり、「日本酒初心者にも手軽に楽しんでもらえる商品」(同社)を目指している。

大関は9月上旬、創業者の名を冠した「大坂屋長兵衛」シリーズに、「超特撰 大坂屋長兵衛大吟醸180mlボトル缶」を投入する。こちらは、広口グラス型のプラスチックコップ付で、アウトドアシーンでも、より手軽に楽しめることを訴求する。

糖質ゼロ・オフは、2014年の秋冬に上位3社が出揃い、他メーカーからも純米酒や機能性を加えた商品なども登場し、売り場でフェイス数も増えたが、その後は上位商品に集約されていった。ここへきて再提案されるのは、食品業界全般でいまや健康訴求が当たり前となっており、やはり需要があると見込んでのことだろう。

糖質ゼロのパイオニアである月桂冠は8月27日、発売10周年を迎えた「糖質ゼロ」シリーズの新アイテムとして「香る糖質ゼロ生酒」(720ml瓶)を発売する。生酒のフレッシュな香りが超淡麗超辛口の味わいに奥行きを与えているのが特徴で、「これまで“糖質ゼロ"になじみの少なかった人にトライしてもらおうと商品化した」(同社)。他にも2社が特徴を持たせた糖質ゼロ・オフ商品の発売を予定している。

ストロング清酒は、今年の6月に小西酒造がいち早く「白雪 淡麗辛口 ストロング1.8Lパック詰・180ML カップ詰」を新発売した。原酒はすでに酒質タイプとして確立されていることから、ソフトパック基準で1.2倍強となるアルコール度数16度に設定している。一方、沢の鶴は9月17日、アルコール分18.5%であることをパッケージで強調した「沢の鶴 米だけの酒 純米原酒生貯蔵 パック」を新発売する。また、アルコール度数17~18度の商品は、他2社も発売を予定している。

ただ、缶チューハイはアルコール度数4~5度のものが高くても9度だが、「バイヤーから指摘されるのは、普段2合飲んでいる人が1.5合で酔ってしまう」(メーカー)。価格はソフトパックと変わらないものが多いが、量としては減ってしまう可能性が高い。確かにストロングはトレンドであり、他酒類との売場も作られる可能性はあるが、清酒というカテゴリーにおいては、果たして吉と出るか凶と出るか。

〈酒類飲料日報 2018年8月7日付より〉