ウイスキーの需要が11年も連続で広がり続けている。国税庁が発表した平成30年の酒類の課税状況によると、ウイスキーの課税移出数量(出荷数量)は国産と輸入合わせて17万8,522klとなり、前年比9.7%増となった。

内訳としては国産が15万2,650klで9.7%増、輸入2万5,872klでは国産を上回る9.9%増。

一時は10万klの大台を割り、底となる平成19年は現在の半分にも満たない7万3,850klまで落ち込んでいたが、この頃からサントリーが「ハイボール」を提案し消費が拡大。現在では各社原酒不足対策を迫られるほど需要が増加した。
 
〈世界五大ウイスキーの原酒をブレンド、サントリー「碧 Ao」〉

国産ウイスキーの原酒不足に対し、現在の市場を創り上げたサントリーは「角」や「トリス」といった国産ウイスキーに加えて、数年前から「ジム・ビーム」や「メーカーズマーク」といった輸入ウイスキーでの提案を積極的に行う他、世界五大ウイスキー(アイリッシュ、スコッチ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ)の原酒をブレンドしたワールドウイスキー「碧 Ao」を今年4月16日に発売し、新たな市場の開拓を図る。

〈アサヒ、キリン、バカルディらも輸入ウイスキーでハイボールの提案強化〉
輸入ウイスキーのハイボール提案では、サッポロビールと提携するバカルディ ジャパンが、「デュワーズ」で「100年ハイボール」の提案を進めている。

また、原酒不足から「富士山麓」を3月で終売としたキリンは、スコッチでのハイボールの提案を強化。「ホワイトホース」ブランドで、缶商品の「ホワイトホース ハイボール」や業務用の樽詰め商品などの提案を行っている他、「シングルトン」では「シングルトン ダフタウン」の発売を記念し、古民家を改装した横丁「ほぼ新宿のれん街」(東京都渋谷区)にて、「シングルトンハイボール」が特別価格で味わえる「ほぼスコットランドのれん街」を、昨年11月から12月にかけて期間限定でオープンし、飲用機会の創出を図った。
期間限定でオープンした「ほぼスコットランドのれん街」(イメージ)

期間限定でオープンした「ほぼスコットランドのれん街」(イメージ)

「シングルトン」の取り組みについてキリン・ディアジオの西海枝毅代表取締役社長は、「当社では“ホワイトホース”や“ジョニーウォーカー ブラックラベル”といった商品を幅広く展開してきたが、“ザ・シングルトン・ダフタウン”は当社のスコッチのポートフォリオの中でも既存商品と比較して上位に位置するものとして展開する。同商品ではハイボールに特化した提案を行っていくが、料飲店でのハイボールの取り組みも多様化の一途を辿っている。その中で、普段飲むハイボールよりは贅沢な“ちょっといいハイボール”としての位置づけを確立していきたい」と話した。
 
アサヒビールは「ブラックニッカ」ブランドでのハイボール提案を進める一方で、高級輸入ウイスキーのポートフォリオを更に強化。3月には「グレンドロナック」「ベンリアック」「ブッシュミルズ」「ウッドフォードリザーブ」の各ブランドから新商品を投入。特に「飲み方」の提案としては「ウッドフォードリザーブ」で、世界的な人気を見せるウイスキーベースのカクテルを中心に提案を行い、さらなる需要の拡大につなげていく構えだ。