香港のオークション「サザビーズ香港」に出品されていた、旭酒造(山口県岩国市)の「獺祭」が11月10日、最高6万2500香港ドル(約84万)で落札された。

今回のオークションには、旭酒造が主催する山田錦生産農家を対象としたコンテスト「最高を超える山田錦プロジェクト2019」で優勝した米で造った23本のうち、6本(シリアルナンバー1、2、3、6、7、8)が出品されていた。

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落札額は「1」「2」「8」が6万香港ドル(約81万円)、「3」が5万6250香港ドル(約76万円)、「6」「7」が最高額の6万2500香港ドル。

旭酒造の桜井一宏社長は「今回のオークションでは世界中から入札があったが、当初我々が想定した以上の金額で落札された。初めての挑戦でこのように高く評価されたことは大変嬉しく思っている」と落札後にコメントした。

桜井社長は同じく11月10日に開催された記者会見で、今回の取り組みについて「一言で説明するのなら、日本の良いものを世界に理解してもらう挑戦」と話した。

加えて、「日本は生産性が低いという話をよく聞く。作業効率を上げて利益率の改善を図るというのも1つの道だが、しっかりと商品の付加価値を価格に反映させていくことも大事。日本の旅館やホテルでは1泊100万円を超える価格の部屋は少ない、というのが良い例で、富裕層に目を向けた超高級ブランドが日本ではなかなか育ちづらいと聞いていた。ワインやウイスキーに比べ、日本酒が安価であるという話にも結びついている。我々としてはその壁に挑むべく、今回のオークション出品に挑戦した」と説明した。

また、「こうした取り組みで高級商品のマーケットにきちんとした形で入り、世界にその存在意義を認めてもらいたい。日本酒のみならず、日本の産業全体にとっても大事な考え方になっていくのではないかと考えている」と話した。

また、出品した「獺祭」については「我々が考えられる最高の原料と技術を注ぎ込んだ。精米歩合は非公表だが、原料米の品質を信じて磨けるところまで磨いた。瓶詰めしたのは23本。これは我々のフラッグシップ商品である“獺祭二割三分”に由来している。残りは17本あるが、この“獺祭”の原料を造ってくださった山田錦の農家や我々にとって恩がある方にお贈りし、残りは社内でストックしておく」としている。