ミートワンが設立、参画企業の力を結集し、「NEW WAY、NEW VALUE」創出

ミートワン 設立記念懇親会
〈双日グループの機能で全面支援、匠の技術を生かした安全・安心な商品を国内外へ〉
双日食料(神岡譲社長、以下、SOFCO)ほか国内畜肉加工・物流事業十数社が出資する畜産関連事業のマーケティング会社(株)ミートワン(本社:東京都港区六本木3-1-1、池本俊紀社長)が2月1日付で設立され、業務を開始した。

今後、同社が中心となり参画企業のノウハウや技術力を集結することにより、畜肉加工を切り口に多様化するニーズや、原料確保、新たなマーケット開拓など様々な課題に対応してゆく。SOFCOの原料調達力に加えて、ベトナムやタイなどアジアを中心とする海外ネットワークの活用や、物流、保険、ビジネストラベルの機能会社の知見も集約して提供するなど、双日グループ挙げて新会社をサポートしてゆく。このように参画企業とSOFCOを中心とする双日グループの事業力・機能を有機的に結合することで、安全、安心で美味しい畜肉加工品を競争力のある価格で国内外マーケットに提供し、双日グループが掲げてきた理念「NEW WAY、NEW VALUE」を胸に、新たな価値を創造してゆく方針だ。

〈「双日らしさ」あふれる会社に〉
2月20日には東京・千代田区の双日本社で参画企業の幹部や双日グループ各社の代表ら約130人が参加して設立記念懇親会も開かれ新会社の門出を祝った。開会のあいさつで双日の藤本昌義社長は「昨年から今年にかけて記者やアナリストから様々なインタビュー取材を受け、これまで双日が行ってきた投資のなかで最も心に残る投資、一番やりたかった投資内容について尋ねられた。そこで私はまずは『ミートワン』だとお話した。双日の投資案件のなかでも、これは非常に画期的なプランで、とても“双日らしさ”が出ている」とコメント。そのうえで、「このプロジェクトを通じて、業界の皆さんの要望や発展をこのミートワンが手助けしてゆく。これからの国内市場を活性化するプロジェクトであると考えており、今日ここで参画企業の皆さんにあいさつできることを非常に喜ばしく思う」と今後の事業展開に期待感を示した。また、来賓として招待されたカーギルジャパンの石井竜男取締役は、これまでのカーギルと双日グループの長年にわたる良好な関係に対する感謝の言葉とともに、新会社の事業展開、とくに双日グループを通じたアジア市場への展開に大いに期待していると述べた。

(株)ミートワン・池本社長もあいさつに立ち、「日本や米国、カナダでのBSEをはじめ口蹄疫、鳥インフルエンザ、リーマンショックなど様々な逆境を経験してきた。時には心が折れそうになったこともあったが、ここに参画していただいている企業やサプライヤー、その他取引先の方々に助けられて、何とか乗り切ってここまで来ることができた。これからは、『ミートワン』を通じて、いままで助けていただいた方々に対し、その恩返しをしたいとの思いだ。将来、また同じような逆境が起こったとしても、ミートワンへの参画企業および関連企業と必ずや助け合って乗り切ってゆけると確信している」と決意を新たにした。

〈畜肉加工品を切り口に新しい形での協力の取組み〉
既報の通り、新会社「ミートワン」の意義は、株主でもある参画各社の経営・事業の独立性を維持・尊重することで各社が培ってきた企業活力を最大限に生かしつつ、単独では難しかった加工ニーズへの対応や原料確保、新たなマーケット開拓、さらに海外展開などの諸々の課題にソリューション機能を提供することで、参画各社がともに成長・発展してゆくことにある。

ミートワンの主な役割

具体的な事業展開としては、▽販売力強化のサポート▽原料調達力強化のサポート▽原料の共同開発▽海外市場進出のアレンジメント▽双日グループの総合力を駆使したサポート・ソリューションの提案――が挙げられる。とくに畜肉加工品においては、近年、CVS、外食チェーン向けの取引が増加しているが、これらの商品の品質・規格等への要求水準も年々高くなってきている。畜肉加工メーカーにとっては、今後の成長にはキメ細かな需要家ニーズに対応した商品開発、新たな提案などを通じ、マーケットへのアクセス力を強化してゆくことが不可欠といえる。そこでミートワンが中心となり、必要に応じて参画各社が培ってきたノウハウや機能を共有、複数企業による協力体制を敷いてこれらの課題に対応してゆく。

現在は、(株)江戸清、(株)ダイチクフーズ、日本食品(株)、(株)丸和、(株)ミート・コンパニオン、(株)山畜、大東港運(株)、(株)二葉、松岡冷蔵(株)をはじめその他国内十数社が参画企業として連ねている。これら企業で原料調達から畜肉加工、販売、物流までのすべてのサプライチェーンを網羅しているが、ミートワンでは引続き同社の理念に賛同する企業に参画を募っており、そのサプライチェーンは今後さらに広がってゆく方向だ。そのほか、SOFCOのみならず、双日ロジスティックス(物流)、双日インシュアランス(保険)、双日ツーリスト(ビジネストラベル)など機能会社の知見を生かしてコスト削減・効率化につなげるなど、双日グループを挙げて「ミートワン」を全面的に支えてゆく方針だ。

一方、日本国内が成熟市場となるなかで、将来的なターゲットは海外市場への展開だ。この点において、双日グループは一昨年4月にベトナムで日配惣菜の製造販売と畜肉原料の加工製造販売事業を手掛けるジャパン・ベスト・フーズ(JBF)を設立、同年6月にはタイで業務用食品卸事業のエフビー・フードサービス(FBF)に出資するなど、アセアンを中心とした食のバリューチェーンを広げている。これら双日グループの海外拠点と、ミートワンの参画企業が培ってきた“匠の技術”というべき、畜肉加工の技術力・ノウハウを融合させ、海外のCVSや外食チェーンへの畜肉加工品の展開など、シナジー効果を高めてゆきたい考えだ。

ミートワンを中心に十数社の参画企業とSOFCOがともに発展してゆくことで、国内および海外マーケットに安全・安心で美味しい畜肉加工品を競争力のある価格で提供し、新たな価値を創造してゆく――。この“双日らしさ”溢れる同社の取組みに、今後ますます注目を浴びそうだ。

〈畜産日報 2018年3月9日付より〉

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