全国霜降り牛研究会が第15回牛枝肉共励会、和牛の部最優秀賞は熊本の野田牧場

表彰を受ける野田牧場
全国霜降り牛研究会(山口登会長)は24日、東京食肉市場で第15回牛枝肉共励会を開いた。

今回は全国各地から黒毛和牛90頭(うち去勢72頭)、交雑牛37頭(同28頭)の計127頭が出品。審査の結果、和牛部門の最優秀賞には、熊本の(株)野田牧場の出品牛(去勢31カ月齢、枝肉重量620kg、A5)が輝き、エスフーズがキロ単価3,344円で落札した。また交雑牛部門の最優秀賞には、栃木の黒尾浩一氏の出品牛(去勢27カ月齢、枝肉重量584kg、A4)が選ばれ、小川畜産興業がキロ単価2,073円で落札した。今回、和牛の部90頭の成績は、平均枝重548kg、平均価格2,462円で、4~5等級率は90.0%となり、交雑牛の部37頭の平均は、枝重586kg、平均価格1,415円で、3~5等級率は73.0%だった。

審査講評では東京食肉市場大動物事業部の鈴木美智男部長が「和牛の規格は5等級が56.7%、4等級が33.3%と上物率が90%と高い水準で、歩留まり等級はAが97.8%と、非常に流通側にとっても使い易い高水準な枝肉がそろった。肉色も良く、しまり、光沢も良い仕上がりの枝肉が多数を占め、肉付きの良いボリュームのものがそろっていた。交雑の部も、(枝重や価格など)数字は申し分がないが、素牛高騰の影響が出荷者の皆さんに押し寄せてきており、重量がしっかりした枝肉、とくに交雑種は歩留まりが良い形に仕上げることが大事な部分といえる。今回最優秀賞と優秀賞に輝いた出品牛はいかに和牛の特長を多く引き出したかという点で選んだ。(枝肉市況など)状況的に決して良くはないが、皆さんの肥育技術といままで培ってきた経験がこれから大切になってくる。今後とも良質な枝肉を生産してもらいたい」と呼びかけた。

優秀賞は以下の通り。

[和牛の部]
▽(株)松永農場(去勢30カ月齢、枝肉重量594kg、A5)単価3,343円で日本精肉店が購入
▽(株)山下畜産(去勢31カ月齢、枝肉重量618kg、A5)単価3,202円で富畜産
▽(農)森ファーム組合(去勢27カ月齢、枝肉重量592kg、A5)単価3,124円で丸富商店
▽荒川哲夫(去勢31カ月齢、枝肉重量550kg、A5)単価3,016円でスズチク
――ほか優良賞7点

[交雑牛の部]
▽山﨑福治(雌28カ月齢、枝肉重量631kg、B4)単価1,613円で乙川畜産食品
▽芳賀アグリカルチャー(去勢28カ月齢、枝肉重量710kg、B4)単価1,427円で乙川畜産食品
――ほか優良賞3点。

〈畜産日報 2018年5月25日付より〉

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