農水省は29日、オーストラリア政府当局との間で、日本産生鮮牛肉の輸出条件を締結したと発表した。今後は、厚労省が定める手続きに基づき認定を受けた施設から輸出が可能となる。

2004年6月以降、農水省は厚労省と連携し、オーストラリア政府当局との間で、日本産生鮮牛肉輸出のための協議を進めてきた。農水省と厚労省が、オーストラリアの求める輸出証明書の発行手続きなどについて定めた「対オーストラリア輸出食肉の取扱要綱」を定め、自治体に通知した。今後は要綱を基に、申請を行い、輸出施設の認定要件(対米向け牛肉輸出施設に準じた要件)を満たしていると、厚労省から認定を受けた施設から、生鮮牛肉輸出が可能となる。

同国向け輸出は、2001年9月に日本でのBSE発生を受け、輸入停止となっていた。なお財務省の貿易統計によれば、2001年の輸出量は403kg、2000年は196kgとなっている。

〈防疫レベルの高い豪州との協議をクリア、大きな自信に/農水省・熊谷動物衛生課長〉
農水省動物衛生課の熊谷法夫課長は「同じように防疫協議を進めている米国やオランダにさきがけ、防疫レベルの高い豪州との協議をクリアできたことは今後、諸外国との協議を進めていく上で大きな自信につながった。豪州和牛が流通する市場で、日本発となる和牛の品質の高さを再認識してもらいたい。スキーや温泉を目当てに豪州からの観光客も多く、帰国してからも本物の和牛を楽しんでもらうとともに、特別な行事の食材として受け入れてもらえればうれしい」と話している。

〈他に先駆けての豪州の日本産生鮮牛肉輸出解禁を宣伝したい/齋藤健農水大臣〉
齋藤健農水大臣は29日、閣議後の会見で、オーストラリア向けの日本産生鮮牛肉輸出が解禁されたことについて、「オーストラリアに牛肉を輸出できるのは2001年9月以降、17年ぶりになるが、これを機に、オーストラリア向けの牛肉の輸出が増えていくことを期待している。現在、オーストラリアに対して、牛肉が輸出できるのは、オーストラリアの近隣国であるニュージーランド及びバヌアツのみであり、米国やオランダといった、他の解禁要請国に先駆けて日本が輸出を認められたということを宣伝したい」と期待感を表した。

また、日本産和牛がオーストラリアに輸出される意義について、「確かに、好みが違うという指摘もあるかもしれない。ただオーストラリアは1人あたりの牛肉年間消費量が非常に多い国で、20.9kg と日本人の3倍以上になる。所得水準も高く1人あたり名目GDPが6万ドル以上であり、比較的高価な物も買う余地がある。都市部では、日本食レストランの数も多い。日系・アジア系スーパーで日本食材もかなり取り扱われており、近年、訪日される観光客も増加傾向で、訪日中に和牛の肉の料理に親しんでいる人も多く、日本産の牛肉を受け入れる土壌は十分にあると考えている」と述べた。今後は、「オーストラリアへの輸出について、関心を有する事業者への輸出手続きなどの周知、それから日本産牛肉の特徴、あるいはこれを生かす食べ方・調理方法についてのプロモーションをオーストラリア向けに展開していきたい」と、オーストラリアでプロモーションを行う考えを示した。

〈畜産日報 2018年5月30日付より〉

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