〈市場ニーズをしっかりとらえ商品開発につなげる、店頭の声を即座に共有〉
日本ハム畑佳秀代表取締役社長のインタビュー2回目(既報17日付)。今回は加工事業での低収益性からの脱却、ヒット商品の創出、重点ブランド商品の集中販売について概要を紹介する。

〈前回の記事〉「持続的な変革」「飽くなき挑戦」をモットーに/日本ハム・畑佳秀代表取締役社長インタビュー(上)

――加工事業のテーマである低収益性からの脱却に関しては、どんな対応を考えていますか

中計の加工事業のテーマに、低収益性からの脱却を掲げた。営業利益率が低く、現在、各事業本部に営業利益率5%以上を目指すことを言っている。今中計では難しいかもしれないが、次の中計ではメーカーとして求められるその水準を目指していく。加工事業本部では、付加価値商品を製造・販売しており、原料、人件費コストなどが上昇するなかで、付加価値をさらに高めていかなければならない。その一つが、重点ブランド商品をしっかり売ること、顧客視点のマーケティングで開発していくこと。さらにもう一つ、製造部門の製造コストの低減が必要だ。大きなところでは製造の平準化があり、(季節などによっての)山・谷をなくす。また加工工場が老朽化しており、茨城、兵庫と設備投資をしてきたが、引き続きハム・ソーセージ事業部、デリ商品事業部とも製造設備を最新鋭化し、役割を明確化しながら生産性を高めていく。

その意味でハム・ソーセージ事業部とデリ商品事業部の2つの事業部長を前田文男氏が兼務し一体感を持ってやろうとしている。今年8月に発売したシャウエッセンピザもクロスした商品開発だ。原料面ではこれまで各事業部で別に動いており、協同購入でコスト低減を図る。営業部門では、営業本部をなくし、平坦化している。ここも製販連携して新たに井川伸久加工事業本部長が目配りしており、今後の成長に期待している。

――加工食品での新たなヒット商品の創出が挙がっていますが対応は

未来はどうなるのか、タンパク質、つまり畜産は需要が世界的に高まり奪い合いになると考えられる。中計で何をするかを考え、加工事業本部のなかにマーケティング推進部を設けた。営業本部という組織を取り払い、フラットにした。加工事業本部として、ハム・ソーセージ事業部、デリ商品事業部、営業部門の量販事業部、フードサービス事業部、販社統括事業部の5つにして、意思決定のスピードを早めるとともに、製造と販売の連携をより強くしていく、という組織変更を行った。そこにマーケティング推進部を設け、市場ニーズをしっかりとらえて商品開発につなげていきたいと考えている。開発のマインドも若年層に向けて若い開発者の意見を取り入れる仕組みをスタートさせる。通常商品の根っこを抑えつつ、ブランド商品を拡販していく。もともとの強みだった店頭販促活動は、従来のようなマネキンさんではなく店頭の声をしっかり拾う仕組みづくりをしていく。現場でタブレットを使って声を拾い上げていく。即座に集約し、開発、製造に生かしていく。

奥様重役制度は約50年続けており、大阪・東京で年2回開いているが、大阪は100期生、東京は96期生となる。奥様に限定したモニター制度であり、そこから枠を広げて女子高生に聞くなどヒアリングの枠組みを作っている。ともすればメーカー視点の発想、ファミリー層への視点が強かったが、世代を超えた多様性に対応する形にしたい。

〈重点ブランド商品を集中販売、シャウエッセンピザを新発売 事業領域を取り払い開発、ブランド商品の間口と奥行きを広げる〉
――「重点ブランド商品の集中販売」も挙げていますが、具体的な取組みは


いま進めているのが、我々のコンシューマ商品をさらにしっかりと販売拡大していくこと。テーマとしてブランド商品の拡販を掲げた。事業領域の垣根を取り払い、まずシャウエッセンピザを発売した。シャウエッセンを使用した新しい商品の取組みになる。シャウエッセンピザは、石窯工房ではなくシャウエッセンのブランドのエクステンション(拡張)の位置付けとなる。ブランド商品の間口と奥行きを拡張し、カテゴリー、チャネルを広げて販売していく。チキチキボーン味ウインナーも今年8月から販売している。すでにチキチキボーン味チャーハン、シャウエッセンポトフを販売しており、さらに磨きをかける。シャウエッセンは9月から一部CVSチャネルでレンジ対応のトレーパック商品4本入りを発売した。夫婦2人世帯、単身世帯向けに出したもので好評を得ている。アンティエの8本入りの真ん中にミシン目を入れ小分けパックにしたことも好評だった。多様な世帯、多様なニーズにマッチした商品を展開していく。

〈畜産日報 2018年10月18日付より〉