〈梅雨入りで需要の期待薄く、正肉計800円割れか〉
5月の鶏肉需給は、生鮮モモは大型連休による工場休業の関係で、連休明け直後は瞬間的に締まったものの、工場稼動の平常化で供給が増えたことで、荷動きは低迷。需要が振るわず、結果、月間通しては前月に続いて低迷、相場もジリ下げとなった。ムネも出来高数量が増えたことで、荷動きが緩むなか、この時期の季節要因で需要の高まりが期待されたが、大きな盛り上がりはみられなかった。このため、5月の平均相場は、農水省・食鳥市況情報(東京、税抜き)でモモ605円(前年比2円安)、ムネ243円(同54円安)となり、前月からそれぞれ20円、3円値下がりした。また日経加重ではモモ581円(前年同月比3円安)、ムネ227円(55円安)で、それぞれ20円、5円値下がりした。

例年6月から7月にかけては、梅雨の不需要期に入るため、モモはジリ下げが予想される。ムネは値ごろ感が出てきたことで、量販店の特売や加工仕向けで需要の回復が見込まれるものの、供給量も多く、どこまで相場が持ち直すか注目されるところ。6月相場は、農水省市況でモモ580円(前年比6円安)、ムネで245円(同40円安)、日経加重ではモモ560(前年同)、ムネ235円(40円安)と予想。日経相場の場合、正肉合計で800円を割る展開となりそうだ。

[供給見通し]
気象庁は7日、東海から関東甲信、北陸、東北南部が一斉に梅雨入りしたと発表し、いよいよ食肉の不需要期に突入した。一方、梅雨入り前までの猛暑による生産への目立った影響は聞こえてはいない。日本食鳥協会のまとめによると、6月の全国生体処理羽数は前年並み、生体処理重量は0.8%減とほぼ前年並みの予想となっている。ただ、北海道・東北では処理羽数で0.7%増・処理重量で0.3%増、南九州では羽数0.7%減・重量1.7%減となっている。季節予報によると、九州南部の向こう1カ月(6月6日~7月7日)の平均気温は、「平年並み」「高い」確率がそれぞれ40%と高く、蒸し暑さや激しい寒暖差が予想されることから、今後、増体への影響も懸念される。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測では、6月の国内生産量は13万2,800t(前年同月比1.0%減)、輸入量は4万3,200t(同1.6%減)している。4月末現在の国内推定在庫は国産が3.1万t(前年同月比18.6%増)、輸入品が12.2万t(同15.5%減)だった。輸入品は現状、適正水準と言われた10万t台を上回っているものの、中国の需要やブラジル現地の供給・検査体制の諸事情から、大幅に調達を増やすことは難く、タイト感がさらに強まってくるものとみられる。
 
[需要見通し]

5月の大型連休以降、食肉の末端需要は全体に鈍化している。本来であれば、牛肉・豚肉よりも単価の安い鶏肉にシフトする流れだが、季節柄、モモの需要は弱く、ここにきてムネの荷動きが徐々に出てきている。手羽先は地域によって売れ行きにバラツキがあるようだが、鶏肉全体の商売としては苦しい状況となっている。6月は梅雨時期特有の高温多湿な陽気となるため、食肉需要も低下傾向になる。とくに不振が続いているモモは苦戦が強いられそうだ。ムネはこの間の相場が安値に推移してきたこともあり、量販店が特売を組み易くなったこと、輸入品のコスト高で加工向け需要も期待される。副産物関係では、ササミや砂肝などの需要は、足元の荷動きを見る限り、もう少し時間が必要とみられる。
 
[価格見通し]

5月の相場はモモ、ムネともにジリ下げとなったが、モモに関しては6月もこの基調が続きそうだ。凍結回しで相場の下支え効果も期待されるものの、6月の平均相場は、モモは農水省市況で580円、日経加重で560円と、前月から20円強の値下がりが予想される。ムネは農水省市況で245円、日経加重で235円と数円ほどわずかに値上がりすると予想する。日経加重では、正肉合計で800円ラインを維持できるかが焦点となりそうだ。

〈畜産日報 2019年6月10日付〉