〈輸入品は先高から底値脱出、需給バランスとり収益改善へ〉
3月の鶏肉需給は首都圏で緊急事態宣言が延長されたこともあり、引続き内食需要に支えられた。しかし首都圏では2月末から温暖な気候となったこともあり、例年よりも早くモモを中心とする鍋物需要が終了し、ムネ需要が強まった。モモも需要が弱まったとはいえ、過去2年と比べても高水準を維持しており、今後は夏場に向けてジリ下げ展開が予測される。内食需要に支えられることもあり、大幅な下落は考えにくい。

国産品では骨付きの副産物も一時期ほどの需要は落ち着いてきたもよう。一方で外食やコンビニ向けで消費される、肝関連の荷動きは引続き悪く、業界全体での消費・需要を拡大していく必要がある。また、輸入品は宣言が延長されたことで、外食需要の回復が遅れた。宣言が解除された以降も外食市場が回復したとは言い難いが、国際的な鶏肉需要や飼料価格の高騰を見据え、現地価格が先々上昇することが避けられない状況であり、安値の現物玉を抑える動きが3月中旬から見られた。そのため仲間相場も底値を脱し、一段高となった。今後は外食市場の本格的な回復、実需用を勘案した適切な輸入量を維持できれば、収益面でも改善が期待される。

3月の月間平均相場は、日経加重平均でモモが691円(前年575円)、ムネが304円(前年243円)と、依然として前年同月を大きく上回る。正肉合計では995円と、1,000円の大台を下回った。前月比ではモモは10円安、ムネは1円安となった。

〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、3月の生体処理羽数は前年同月比4.4%増、処理重量は3.8%増とともに増加見込み。4月の予測も羽数が0.9%増、重量が0.5%増と増加基調と見通している。地区別の3月の処理羽数・重量では、北海道・東北地区は4.8%増・2.9%増、南九州(宮崎、鹿児島、沖縄)も6.5%増・6.8%増の見通し。4月も予測もほぼ前年並みを見込んでいるが、南九州の処理羽数は前年をわずかに下回る見込み。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば、4月の国産生産量は13.8万tと前年同月比2.3%減を見込む。前月比でも5,000t減を予測している。2〜4月の3カ月平均では、2月と4月で昨対減と予測しているため、1.5%減の13.7万tと見込んでいる。輸入品は、3月は前年同月の輸入量が多かった反動で5.6%減の4.4万tの見通しで、4月はタイや米国からの輸入量は増加見込みだが、ブラジルからの輸入量が減少見込みであり、全体では前年同月をやや下回ると予測している。3、4月はともに前年実績を下回るため、3カ月予測も前年同期をわずかに下回る2.6%減の4.5万tを予測している。

〈需要見通し〉
国産生産は内食需要が引続き堅調なため、モモはジリ下げ展開ながらも高水準を維持すると見られる。一方でムネは初夏に向けて需要が強まると見られる。ムネは量販店以外にも、冷凍食品など加工筋からの引き合いも強いようだ。コロナ禍ではGWなどの行楽需要は不透明かつ期待が持てないが、主要食肉の中で価格・供給面で安定している鶏肉需要は今後も堅調に推移するだろう。

〈価格見通し〉
4月の国産生鮮は、高水準相場を維持するものと見られる。需要はモモからムネにシフトしているため、正肉合計1,000円の大台こそ下回るが、900円台後半を維持していく。モモは鍋需要が無くなり、行楽需要も期待できないが、GWに向けては一定の需要が期待される。ムネはもちあいと見るが、状況次第では一段高と予測する。そのため、日経加重平均でモモは680円前後、ムネは300円前後と予測する。農水省市況ではモモが700円前後、ムネが320円前後と見込まれる。

〈畜産日報2021年4月7日付〉