〈拡大する食肉のネット通販〉MLA「楽天市場」でクーポンキャンペーン「今年のバービーはオージー・ビーフに決まり!」開催、楽天市場25店舗が参加

MLA「今年のバービーはオージー・ビーフに決まり!」楽天市場でクーポンキャンペーン開催
MLA豪州食肉家畜生産者事業団は4月16日~28日、楽天市場において「今年のバービーはオージー・ビーフに決まり!」と題して、クーポンキャンペーンを行う。

楽天市場で豪州産牛肉オージー・ビーフを購入したユーザーを対象に最大で800円オフクーポンを配布し、参加店舗をサポートする。今回、参加するのは「楽天市場」に出店する25店舗で、合計約160商品を対象商品として掲載する。

キャンペーンページでは、25店舗が厚切りステーキ270g、サーロインブロック約1kg、「麦黒牛」サーロインステーキ200gなど一押しの商品を掲載している。また、フライパンを使った簡単で美味しいステーキの焼き方、オージー・ビーフで作るローストビーフを紹介している。

MLAは、「オンラインのプロモーションの一環として楽天市場でキャンペーンを行うことになった。楽天市場でイベントを行うことは初めてであり、我々としてもどんな影響、成果があるのか非常に期待している。MLAは50年近く日本で活動する中で、フードサービスとリアルの小売店とのキャンペーンが多かった。しかし、時代の流れとコロナ禍により、オンラインで食肉を買ったりする需要が増えていることは理解している。この流れをもっと後押ししていきたい」と話す。

MLAとして期待している点については、次のように、ネット通販に対し情報提供と販売拡大への期待を示した。「スーパーなどの店頭では、なかなかオージー・ビーフについての細かな情報は伝えられない。本来、オージー・ビーフは多様性のある肉でありグラスフェッド、グレインフェッド、コスパのいいお肉もあれば、付加価値の高い商品もある。これらの細かいコンセプトを、ネット販売を通じて伝えたい。もう一つは、楽天市場に出店している店舗の方たち、たとえば精肉店さんなど、ふるさと納税をきっかけにオンラインでの販売を始めている方が多い。単価が高い和牛などを販売するノウハウはあると思うが、輸入牛肉、オージー・ビーフについては、まだチャレンジする段階だと思う。オンラインでオージー・ビーフがどう売れるかわからない方が多い中で、ぜひ、これをきっかけに、『こうやったら売れるんだ』、という発見をしてもらえたらうれしい」。

楽天市場での売れ筋は、和牛など贈答用がメインだった。一方でオージー・ビーフはそこまで単価が高くなく、買いやすい、かつ自家需要、家庭で楽しめる価格帯の商品だ。

大型連休(GW)を控える中で楽天の村里奏ECコンサルティング部ヴァイスジェネラルマネージャーは、「まさにGWで、コロナ対策しながら楽しめるイベントは外でのキャンプやBBQだ。楽天としてもアウトドア用品を含めて需要が拡大している。そこに合わせて今回のイベントを実施することで、GWの需要を取り込み、売り上げ拡大を期待している」と話す。

MLAでも「リアルの小売りとオンラインで違うことは、フローズンの肉に対して消費者の受け入れ方が違うということ。特にGWでは、チルドでは、直前にお肉を購入しなければならない。楽天市場では、フローズンを多く販売していると思うが、フローズンなら1~2週間前に購入し冷凍庫で保管できる。新しい肉の買い方を提案する意味ではいいタイミングだと思う」と、GWに向けたタイミングを重視している。

楽天市場での食肉販売の変化について村里氏は、次のように指摘する。「楽天市場では、牛肉商品の販売はもともと冷凍の牛丼、冷凍のハンバーグなどがメインだった。生肉は、一部、贈答用、高級しゃぶしゃぶなどの需要が高かった。しかし2020年は、自家需要の単価がそう高くない2~3千円の価格帯の生肉を中心に買う傾向が見られ、ECを通して購入するお客様が確実に増え、それが加速された年だった。2019年と2020年を比較した牛肉の成長率は70%増であり、かなり伸びた。要因は、自家需要が伸びたこと。非常事態宣言が出される中でGWに向けて一番伸びたが、その時にスーパーに行けなかった消費者がネットでお肉を捜し購入するという“チャネルスイッチ”がかなり起きた。さらにふるさと納税から通常商品への流れが出てきた」。

背景には、「ECが着実に新しい生活様式の基盤として定着していることが全体的な傾向としてある」。楽天市場を含めた同社のショッピングEコマース全体で2020年10~12月の流通は前期同期比で45.2%増加した。一方で、楽天市場の2020年度の新規購入者は前年度に比べ27.6%増加、さらに復活購入者は27.1%増加した。

結果的に、コロナ禍のEC需要の高まりに伴い、年間を通して新規、復活購入者が大きく拡大した。ちなみに、2020年10月~12月のユーザー当たり購入額は15.1%増加、また前年同期に購入したユーザーが今期も購入した割合は78%に達した。日用品や食品の定期購入などが拡大し、ユーザーの購入額の拡大、ユーザーの定着が順調に推移している。

楽天では「引き続きECで購入するユーザーと、初めて購入する方も増えており、前年ほどの伸びはないが、引き続き右肩上がりでECの売上は成長している。これは食肉についても同様のことが言えると思う」と、手ごたえを感じている。

MLAでも、「非常に重要なマーケットと考えている。ネット通販では、豚肉・鶏肉よりも牛肉が良く売れ、その次にラムが入ると聞く。牛肉は価格的にも高く、消費者としても、プラスαのストーリーを求める。高いなりの理由が必要だが、それをきちんと説明できるマーケットとしてオンラインは重要と考えている。オーストラリアに限らず、海外の食肉自体の価格が上がってきている中で、いかに付加価値をつけて、それをいかに説明するかが重要となっている」としている。いずれにしても、牛肉をはじめとした食肉のネット通販の重要性はますます高まるといえる。

◆「今年のバービーはオージー・ビーフに決まり!」キャンペーンページ

〈畜産日報2021年4月16日付〉