日本ハム、通販サイト「ニッポンハムお届けネット」で流通企業のネット販売の取り組みに注力【拡大する食肉・食肉加工品のネット通販】

「ニッポンハムお届けネット」バナー
日本ハムの公式通販サイト「ニッポンハムお届けネット」では、アレルギー対応商品、ギフト商品、精肉、缶詰など引合いの強い商品を中心に販売している。

ニッポンハムグループの商品を幅広く届ける役目を担っており、コロナ禍で非接触型の商品販売が好まれていることから、ポストに投函できる「グルメレター」のような非接触型ギフトも展開している。また、自社通販サイトでの販売と並行して、流通企業が行うネット事業への取り組みも強化しており、成功事例を流通企業に共有することで、日本ハムだけでなく流通企業の売上げにも貢献する取り組みも行う。

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ニッポンハムグループの現在のネット通販の取り組みについて、日本ハム加工事業本部新市場創造部部長の岡本隆雄氏、同部リーダーの矢野淳氏、日本ハムマーケティング新規事業戦略推進部マネージャーの青木恭子氏に話を聞いた。

――公式通販サイト「ニッポンハムお届けネット」を開始した経緯について

食物アレルギーで困っている方に向けて、食物アレルギー対応商品「みんなの食卓」シリーズを提供していたが、なかなか流通の店頭で購入できなかった。そこで、消費者に「みんなの食卓」シリーズを直接届けるために「ニッポンハムお届けネット」を2008年11月から開始した。

また、レトルトカレーやギフト商品などは消費者からどこで販売しているのかといった問い合わせが多いため、購入先として「ニッポンハムお届けネット」を案内している。現在、消費者の声にしっかり応えるためのサイトという位置づけで展開している。

――ネット通販における注力点は

流通企業が行うネット販売事業への取り組みに注力している。流通企業が出店するECモールなどでニッポンハムグループの商品が目立てば、流通企業の売上にも貢献できると考えており、バナーのデザインやサイズを工夫しているほか、ネット専用商品を作るなどの施策を行っている。

このほか、流通企業とタイアップしたキャンペーンの実施や流通企業のYouTubeチャンネルに積極的に登場するなどの取り組みも行う。また、自社サイトで販売が伸長した取り組みを流通企業に提案することで、流通企業と日本ハム双方で相乗効果が拡大する試みも実施している。自社通販サイトの認知を高めるだけでなく、消費者に広く商品を届けるためには、流通企業の力を借りる必要があると感じている。

――「ニッポンハムお届けネット」の状況について

食物アレルギー対応商品「みんなの食卓」シリーズの引合いが強く、コロナ禍以前から変わらず、人気上位の商品となっている。また、コロナ禍でギフトのニーズが高まっている。コロナ禍で外出できないが自宅でおいしいものを食べたい、帰省ができない代わりに実家にギフトを贈るといった需要があり、ギフト商品は拡大している。常温の缶詰など買い置き、まとめ買いできる商品や総菜パンの需要も伸びている。

このほか、もっと消費者に商品を試してほしいとの思いから、自宅でハンバーガーが楽しめる米粉パンとハンバーグを組み合わせた「米粉パントライアルキット」を販売しており、こちらも好調に推移している。

「米粉パントライアルキット」

「米粉パントライアルキット」

 
自宅で食事を楽しむ時間が増えたことで、スイーツ系の商品や簡便商品の需要も伸長している。通販サイトでは、商品特長を消費者に伝えるため、商品に対する思いやこだわりを伝えるランディングページを作成しており、今後も引き続き取り組んでいく考えだ。

ランディングページ

ランディングページ

 
――「ニッポンハムお届けネット」のこれからの展開について
 
自社の通販サイトの存在を幅広く伝えるため、Twitterでの情報提供やターゲティング広告をうち、通販サイトの認知度を上げる取り組みを継続して行っている。
 
Twitterでは「日本ハム食物アレルギーケア」アカウント(@nipponham_aller)から商品や認証取得などの情報を提供している。ネット通販では通年ギフト市場も拡大していることから、通年ギフトの販売に注力したいと考えている。2020年、通年ギフトの売上金額が前年の約2倍と伸びた。2021年はさらに前年の2倍を目標金額としている。
 
また、ニッポンハムグループでは、水産、乳製品、缶詰を製造・販売するグループ会社がある。それらの商品をしっかりとお届けすることにも継続して取り組んでいかなければならない。このほか、サイトで商品のこだわりを訴求することができる強みを生かして、量販店などで販売していない特別感のある商品の品ぞろえも増やしていく必要がある。
 
◆日本ハム「ニッポンハムお届けネット」
 
〈畜産日報2021年5月27日付〉