「酪農教育ファームや出前授業など食育活動では、牛乳の栄養的価値、牛のミルク・命の尊さなどを子供たちに伝えてきたが、今回の問題につながる牛乳の風味や美味しさの食育はほとんど行われてこなかった。海外、特に欧米での食育の基本は味覚教育であり、夏に生産されたバターと冬のバターの違い、生産地域や方法が異なるミルクの風味がどう違うのかを教材を使って区別させるなどの教育プログラムが中心。日本でも従来の食育に加え、牛乳の風味特性と生産背景(酪農)を理解させる取り組みが必要と考える」。

昨年6月と9月に茨城、埼玉で発生した学校給食牛乳の風味変化問題(衛生管理に問題なし)で、牛乳の味は季節や牛に与える餌、牛の体調で変化すること、牛乳は工業製品ではないことを、改めて消費者や教育現場に発信していく必要性を痛感した一般社団法人Jミルク。昨年12月には、牛乳の風味変化問題の研修会を都内で開き、約230人(通常約50人)の学校関係者、乳業者らに、専門家らの講演を通して、今後の方向性を打ち出した。

「風味問題は、牛乳に関する衛生事案と風味変化に対する問題が教育現場で混同されている大きな課題があり、このことが風味変化問題に対するアプローチを難しくしている。現場は、給食を担当する栄養教諭と一般教諭・教育委員会との間で、学乳に対する認識や知識の差が大変大きく、業界が栄養教諭と連携していくことも課題だ」。

Jミルクは、同問題を学乳だけでなく牛乳全体、業界の基本的課題とし、酪農現場、生乳流通、乳業工場の各段階で風味特性の理解醸成に努めていく。

〈食品産業新聞 2018年1月18日付より〉