東北農政局を舞台とした東日本大震災復旧工事をめぐる不正入札問題で、農林水産省は6月22日、再発防止策や職員の処分などを発表した。

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東北農政局の工事入札は、入札参加者に対して事前に技術的な課題を示した上で、技術提案書の提出を求める仕組み。入札価格だけでなくこの技術提案書の中身が落札のポイントになる。去る14日の公正取引委員会の公表によると、入札に参加した建設業者のうち(株)フジタ(奥村洋治社長)東北支店の従業員が、退職後に再就職した元東北農政局職員で、これが現役の東北農政局職員に技術提案書の添削や助言を依頼していた。さらに他の入札参加者が提出した技術評価書の「評価点」や順位を聞き出し、トップの成績で落札を勝ち取ったとされる。このため公取委は、(株)フジタに対して独禁法に基づく排除措置命令を下した。また同入札に参加資格のある建設業者10社にも東北農政局OBがいて、「入札前に参加の意向を相互に確認しあっていた行為が認められた」ため「注意」。さらに農水省に対して、今回の入札だけでなく、「少なくとも2012(平成24)~2016(平成28)年度の間」、東北農政局の現役職員が、各社のOBに対して、様々な情報を提示していた「事実が認められた」ため「申入れ」を行っていた。「様々な情報」とは、この時点では未公表だった入札公告日、技術提案の課題、技術評価点・順位、非公表の積算金額、他入札の技術提案書の中身など。

今回の農水省の公表は、この公取委からの「申入れ」に応じたもの。まず処分は、(株)フジタらに情報提供していた東北農政局宮城県内事務所専門官(後に東北農政局農村振興部専門官)だった鎌田重孝を「免職」(懲戒解雇)。

1名を「停職」6か月、1名を「停職」1か月としたほか、管理監督者7名を「厳重注意」とした。また(株)フジタに対しては1か月の指名停止措置。再発防止策としては、発注担当職員に対する年1回以上のコンプライアンス研修受講を義務づけ、退職予定職員に対する退職前研修の実施、退職予定者が退職後に不当な働きかけ等を行わない旨の確認書提出の義務づけ、技術提案書審査時の匿名管理の徹底、技術提案書の評価担当者と予定価格・積算書の審査担当者との分離、技術提案書と入札書の同時提出など。本省が今後、地方農政局などに抜き打ち特別監査を実施することも盛り込んだほか、今回の違反が他の農政局にないか聴き取り調査も実施する運び。

〈米麦日報 2018年6月25日付より〉

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