山崎製パン、盛大に創業70周年記念コンサートと祝賀会 約2,000人が出席

〈飯島社長「経営者は指揮者、生産・営業・総務・経営部門と全体で演奏し使命を全う」〉
山崎製パン(株)(飯島延浩社長)は24日、創業70周年記念コンサートと祝賀会を開いた。コンサートは、サントリーホールで開かれ、指揮者に大友直人氏、ヴァイオリンに千住真理子氏、ベートーベンの交響曲弟9番では、ソプラノに森谷真理氏、メゾ・ソプラノに富岡明子氏、テノールに又吉秀樹氏、バリトンに甲斐栄次郎氏を迎え、司会は長年CMに出演する松たか子氏が務めた。

その後の祝賀会は、隣接するANAインターコンチネンタルホテル東京に場所を移して開催。冒頭、「ひとつぶの麦から」と題した70年を辿った映像が紹介され、創業期の奮闘、量販体制をめざした東洋一の杉並工場の稼働、その後、1973(昭和48)年の当時、同社最有力工場だった武蔵野工場の火災、しかし火災の3日後には関東6工場からの従業員派遣による生産営業活動の開始など、数々の試練を乗り越えて、70周年の今があることを紹介した。

挨拶に立った飯島延浩社長は、出席者に謝意を表した後、「企業経営はオーケストラを演奏することと同じといわれる。経営者は指揮者であり、経営陣・管理職・従業員はオーケストラの演奏者だ。オーケストラには楽器によってそれぞれのパートがあり、それぞれの役割を果たす。企業経営にも部門があり、生産部門、営業部門、総務・人事部門、経理・経営部門がある。21世紀のヤマザキの経営方針で示したあるべき姿と生命の道では、種まきの歩み、育成結実の歩み、収穫の歩み、総合管理の歩みの4カ条の歩みがある。種蒔きの歩みは生産部門の働きであり、オーケストラではヴァイオリンに当たる。育成結実の歩みは総務人事部門であり、チェロやビオラの弦楽器に当たる。収穫の歩みは営業部門の働きであり、トランペットなど管楽器の働きだ。総合管理の歩みは、経理経営部門の働きで、コントラバスト、打楽器が担当する。オーケストラの指揮者は、全ての楽器を演奏させ作曲者の意図を汲んだ音楽を演奏する。企業経営も各部門の有機的に働かせ会社に与えられた使命を全うさせるため、売上・収益を確保し社会に有益な事業を進めていく。オーケストラの指揮者は、作曲者の意図に合った音楽を演奏し、オーケストラ全体で聴衆の心に訴えかける。その際、指揮者が作曲者の曲をしっかり理解しそれを表現するため、オーケストラのそれぞれのパートにしっかり理解させ演奏させることが必要」と、オーケストラの演奏にたとえ、ヤマザキのあるべき姿と生命の道を紹介した。また、21世紀のヤマザキの経営方針を踏まえ「創業100周年には売上高2兆円の実現を目指す」とした。

飯島延浩社長

飯島延浩社長

会場には、政界・財界から約2,000人が出席、来賓では(株)日清製粉グループ本社の正田修名誉会長相談役、齋藤健農水大臣、林芳正文部科学大臣が挨拶した。齋藤農水大臣は、「シンプルで力強い経営方針に感銘を受けた」と述べるとともに、7月豪雨での支援活動に対し感謝状を飯島社長に贈った。

齋藤農水大臣から飯島社長に感謝状贈呈

齋藤農水大臣から飯島社長に感謝状贈呈

〈米麦日報 2018年8月28日付より〉