「新たな環境に対応した事業戦略見直しを」既報(6日付)の通り米穀機構(福田晋理事長)は商系米穀卸売業者の2017(平成29)年度経営概況を公表した。前年度と比較可能な116卸を対象に合算集計(各社ごと決算期は異なるが約7割にあたる79卸が3月期決算、ただし事業再編に伴い前期比較ができなかった最大手・(株)神明を今回も除外している)したもので、総体としては2年連続の増収大幅減益となった。

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米穀機構が発表している商系卸の経営概況は毎年、米扱い率と売上高規模から、区分Ⅰ・専業大手(米扱い率90%以上、売上高100億円以上)、区分Ⅱ・専業中小(米扱い率90%以上、売上高100億円未満)、区分Ⅲ・兼業大手(米扱い率90%未満、売上高100億円以上)、区分Ⅳ・兼業中小(米扱い率90%未満、売上高100億円未満)に4区分して集計している。
売掛金・棚卸商品・買掛金

固定資産・自己資本

〈売掛・買掛・在庫〉米穀在庫最多を更新
期末売掛金は898.07億円(12.1%増)で、日数換算(1日当り平均売上高で除している)すると40.3日分(2.6日分増)となった。増加83卸、減少33卸。単価の上昇もあるが、3月末や9月末といった区切りがともに土曜日だったことから繰り延べられてしまったことも大きい。

日数換算ベースの期末売掛金は、増加71卸、減少43卸、変動なし2卸。期末棚卸商品(在庫)は629.70億円(13.9%増)、28.3日分(2.3日分増)。増加81卸、減少35卸。全区分で増加している。このうち米穀のみ在庫を抜き出すと、金額ベースで約554億円(約76億円増、約15.9%増)、日数換算で32.2日分(2.8日分増)は、ともに過去10年で最多を2年連続で更新した。手持ちの増は3年連続。ただ、「一括引取に切り替えるなど仕入手法の変更もみられるため、手持ち増は瞬間的なケースもあり得る」(米穀機構)ため、これをもって手持ち増、スポット回避とは言えそうにない。日数換算ベースの期末棚卸商品は、増加76卸、減少38卸、変動なし2卸。

期末買掛金も349.12億円(4.9%増)、15.7日分(±0日)。増加68卸、減少47卸。日数換算ベースの期末買掛金は、増加61卸、減少54卸、変動なし1卸。いわゆる回転資金にあたる要資金手当金額(売掛金+在庫-買掛金)は1,178.65億円(15.4%増)、52.9日分(4.9日分増)となった(下表)。

〈資産・資本〉固定比率は良化
固定資産は1,397.70億円(0.3%減)。3.82億円の減少にあたり、うち有形固定資産は約995億円(約13億円減)、無形固定資産は約400億円(約9億円減)。米穀機構では今回の設備投資額を約80億円(前年度およそ90億円弱)と推計している。「精米工場の新設はなく、物流倉庫、精米工場のリニューアル、精米設備の更新など、直接米に関連しない設備投資ばかりだった印象」とも。自己資本は増加し、1,125.66億円(1.3%増)。

結果的に「低いほうが望ましい」とされる固定比率(固定資産÷自己資本)は2.0ポイント下落(良化)して124.2%。自己資本比率(自己資本÷総資産)は1.2ポイント下落(悪化)して32.9%となった。

〈米麦日報 2018年9月7日付より〉