COVID−19(新型コロナウィルス肺炎)感染拡大前後で、米の消費支出額がどのように変化したか追った。総務省が毎月発表する家計調査結果から、(家庭)内食(袋精米)、中食(弁当、すし《弁当》、おにぎり・その他)、外食(すし《外食》、和食)の2020年1~5月の前年同月比増減率を、全国、東京都区部、大阪市ごとにグラフにまとめた。
家計調査にみる米(米飯類)消費支出額・前年同月比増減率の推移/東京都区部

家計調査にみる米(米飯類)消費支出額・前年同月比増減率の推移/東京都区部

家計調査にみる米(米飯類)消費支出額・前年同月比増減率の推移/大阪市

家計調査にみる米(米飯類)消費支出額・前年同月比増減率の推移/大阪市

やはり外食は大幅に下落し、3月の消費支出額は、全国で▲23.38%の2,481円(前年同月3,238円、以下同)、東京都区部で▲24.97%の2,962円(3,948円)、大阪市で▲28.71%の3,271円(4,588円)だった。東京都の週末・夜間の外出自粛要請は3月25日、大阪府の週末の外出自粛要請は3月27日と月末であったが、外食にはすでに影響が出ていたことがわかる。
 
緊急事態宣言が発出された4月には、全国で▲61.03%の1,228円(3,151円)、東京都区部で▲49.85%の1,548円(3,087円)、大阪市で▲77.56%の1,049円(4,674円)と前年同月の半分以下に下落した。特に大阪市は平常時の支出額が全国・東京都区部に比べて高いため、言わば反動で減少幅も大きくなった。
 
その後、5月に入ると緊急事態宣言は延長され、解除されたのは大阪府が5月21日、全国では5月25日。5月の消費支出額は全国で▲48.53%の1,748円(3,396円)、大阪市で▲63.84%の2,249円(6,220円)と回復に転じた一方、東京都区部はむしろ悪化し▲50.98%の1,734円(3,537円)となった。
 
中食も在宅勤務が増えたことや、行楽の自粛によって3~4月は全体的に下落している。しかし3月は、全国・東京都区部で前年同月を下回ったのに対し、大阪市は若干ながら上回った。
 
4月の消費支出額も全国で▲8.66%の2,562円(2,805円)、東京都区部で▲10.54%の3,234円(3,615円)だった一方、大阪市は▲0.47%の2,546円(2,558円)と比較的減少幅が小さかった。だが、5月になると全国・東京都区部は前年同月を上回るほど回復したのに対し、大阪は▲3.25%とさらに下落した。
 
一方の内食は、これだけ外食・中食が下落しているのにも関わらず、そこまで大きな伸びを見せていない。3月の消費支出額はいずれの地域も前年同月を2ケタ以上上回る数字であったが、4月には東京都区部で▲6.74%の2,035円(2,182円)と前年を下回った。大阪は17.50%増の2,746円(2,337円)と3月より増加したが、全国は12.41%増の2,110円(1,877円)と3月からは減少した。外出自粛による家庭内の需要が増えたとはいえ、パンや麺など他の主食に流れているものと見られる。5月も東京都区部・大阪市で前年同期を下回り、全国も下落傾向となっている。
 
〈米麦日報2020年7月15日付〉