味の素は、東京五輪における日本代表選手の食事サポート活動の報告会をこのほど都内で開いた。同社は「ビクトリープロジェクト」と銘打って、日本代表選手・代表候補選手の競技力向上を目指した「食とアミノ酸」によるコンディショニングサポート活動を展開しており、今回は試合前・当日の栄養・食事サポート拠点「JOC Gロードステーション」での取り組みや、金メダルを獲得した柔道男子66kg級の阿部一二三選手、柔道女子52kg級の阿部詩選手と、空手代表選手のサポート内容について、プロジェクトスタッフが説明した。

同社は東京五輪において、Gロードステーション」における試合前・当日の食事提供サービスを、開会前の7月18日から閉会の8月8日まで行った。同スタッフは、試合に勝つための戦略的な栄養サポートに加えて、暑さと自国開催に伴う緊張・精神疲労による食欲低下を課題として認識し、「アミノ酸のはたらき」をフル活用した、試合に特化した栄養補給の徹底を目的に取り組んだ。

具体的には、万全のコロナ対策と共に、糖質とビタミンB1を強化した「エネルギー補給タイプ」、ビタミンA・C・Eを強化し、疲れていても食べやすい「疲労回復タイプ」、両方のアミノ酸でうま味を効かせた日替わりメニューを提供する施策を取った。さらに食欲を引き出す「飲むかつおだし」、エナジーとコンディショニング、2タイプのアスリート向けギョーザ、エナジーとプロテイン、2タイプのアスリート向けケーキを用意した。

その結果、利用した選手のアンケートでは100%が満足、97%が役に立ったとの回答が得られたほか、アスリート向けギョーザの摂取率の高さ、「飲むかつおだし」が好評だったことなどから、代表選手のコンディション維持や、食欲低下を防ぐ課題解決に成功したと評価した。

〈柔道金メダル・阿部兄妹がゲストに、「パーフォマンスを最大限発揮」〉
続いて、阿部一二三選手と阿部詩選手がゲストして登場、スタッフと共にトーク形式で「Gロードステーション」での回復食や試合時の捕食を中心にしたサポートの概要を振り返った。

厳しい減量が必要な一二三選手、コンディションを長期にわたり維持することを重視している詩選手と、2人のサポート計画は違っていたが、一二三選手は「減量期でもパーフォマンスを最大限発揮できる感覚があり、試合に向けて全てがうまくいく、食べていると元気がわいてくるという感覚でやっていました」と語り、詩選手は「詳しく栄養の事を教えていただくことで、さらに自分が強くなれるチャンスが見つかったと思いました」と話した。

関連して、一二三選手と詩選手が五輪で金メダルを目指すきっかけを回顧する中で、一家そろって家庭で食卓を囲む時間の大事さに言及した。一二三選手は「食卓の会話はどうしても柔道の話になっていく。家族全員で一つの目標に向かって頑張ってこれたことはすごく大事だったし、それがあったから今の金メダルがあると思います」と話した。詩選手も「食卓は家族そろって話ができる時間。すごくいい時間で、それがあったからこそ五輪で勝てたと思います」と話していた。

また、空手代表選手のサポートでは、国際大会のスケジュールが1回戦から準決勝までの数試合を約2時間で行うという特徴を踏まえ、試合前にコンディショニング重視の栄養摂取と合わせて、試合の合間にこまめにエネルギーとなる糖質を摂取することで、バテることなく最後まで戦い切る対策で臨んだ。

男子形で金メダルを獲得した、喜友名諒選手はビデオメッセージで「万全の状態で当日の試合に挑むことができました。食事の面での改善点やタイミングを指摘していただき、大会に向かう前にも元気よく送り出してくれたことが力になりました。選手全員感謝しています」と話していた。