〈シグナル〉過去の経験生かす取り組みを/平成30年北海道胆振東部地震

6日未明に北海道で震度7を記録した「平成30年北海道胆振東部地震」は、全道で停電や土砂崩れ、家屋倒壊など甚大な被害が発生し、死者・行方不明者や多くの人がケガをした。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧を切に願います。

北海道地震による食品業界の影響は、7日現在では得られる情報が限定的だが、今後、各社の被災の詳細や復旧の目途、今後の対応方向などが徐々に明らかになってくるだろう。北海道は国内農業産出額の1割強を占め、畜産・酪農は5割以上を占めるだけに、今後の影響を注視したい。

それにしても、今年は6月の大阪府北部地震、平成30年7月豪雨、ダブル台風、台風21号と、ほぼ毎月で何らかの災害に見舞われている。これらの災害では、直接的な被害はなくても、停電による入出庫業務の停止や、交通網の乱れで商品の配送も困難になるなど、物流インフラ機能の不全・低下が食品業界に大きな影響を及ぼす結果となった。一方で、たとえば畜産では被災でと畜・加工業務ができなくなった施設に代わり、周辺地域の施設で加工業務を受け入れるなど業界や地域を挙げた連携もみられた。

人手不足の問題や電力依存度の高まりなど過去の震災・災害時にはなかった新たな課題も見えてくると考えられる。各業界・企業としても、今回の一連の災害を踏まえ、改めて災害時のリスク対策や支援体制などを見直し、次に備えてもらいたいところだ。

〈食品産業新聞 2018年9月10日付より〉