メーカー、商社、流通・生協などで構成される、持続可能なパーム油会議実行委員は6日、「2020年に向けたパーム油調達のあり方を考える」をテーマに国連大学で定期会合を開いた。

その中で委員会メンバー、アムネスティ・インターナショナル日本の土井陽子氏は「サプライチェーン上の人権課題を見る」と題し講演した。土井氏はアムネスティが16年11月にインドネシアのパーム農園で働く労働者と、サプライチェーンを調査したレポートについて説明した。調査はパーム油生産最大手のウィルマーが経営・取引している、パーム農園5社を対象に行われた。

それによれば農園ではノルマ制や出来高制の賃金体系、強制労働や児童労働、健康被害などの人権侵害が明らかになったとした。ノルマ未達による減額や、罰則による解雇を恐れることが強制労働、児童労働につながっているとした。また健康面ではEUでは使用が禁止されている農薬パラコートを使用しているが、十分な防護服や保護具が支給されていないケースもあるとした。

その上で土井氏は「政府や企業が人権侵害を防止、救済措置に取り組む必要がある。またメーカーも、認証パーム油や持続可能なパーム油のラベルを信頼して購入できる体制作りが求められる。関連する企業が必要な行動を起こせば、真に持続可能なパーム油を確立できる」と話した。

〈オランダでは20年までに持続可能なパーム油使用100%を目指す〉

続いて、オランダ大使館経済部のポール・ズウェートスロート参事官が「EUにおけるパーム油調達戦略」題して講演したズウェートスロート参事官は「パーム油は急速に成長し、生産量は20年間で倍増した。食用や化粧品、最近ではバイオ燃料でも注目されており、パーム油需要が増えるかもしれない」と話した。

また生産国ではパーム生産が森林破壊に影響しているとし、持続可能な方法で安定した生産が重要で、生産者に非を求めるのではなく、加工業者や貿易業者にも責任があるとした。パーム油を使い続ける限り、国際的にRSPOに参加し、森林破壊を止め、環境保全に努め、地域社会を守る必要があるとした。オランダはパーム油消費が多く、消費者も持続可能なパームと気候変動に関心を持っているとした。オランダ政府は20年までに100%持続可能なパーム油の使用を目指しており、ヨーロッパ内では20年までに100%を目指す国が増えているとした。オランダでは、パーム油生産国への技術支援にも注力しており、16年時点で持続可能なパーム油のシェアは90%を占めているとした。

ヨーロッパでは、強制力の無いヨーロッパ会議でパーム油に関する決議を採決して、森林伐採の危険性や温室効果について言及している。森林伐採の多くが、パーム生産のために行われており、持続可能なパーム油調達に向けた勧告しており、農園管理や持続可能なパーム油使用率についても言及しているとした。ポール参事官は「最大消費国の中国にも責任を取るように促す必要もある」と話した。

〈大豆油糧日報2017年11月10日付より〉

 

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