カネカはこのほど、大阪市の本社で記者会見を開いた。田中稔代表取締役副社長らが出席し、昨年4月に移行した新経営システムと、今期から一段と強化しているESG経営について説明するとともに、経営の考え方を実現する重点事業のトピックスを紹介した。

新経営システムでは、製品ベースのビジネスから顧客へソリューションを提供するビジネスに軸足を置き、事業展開している。また、従来CSRの視点で企業活動と社会貢献の両立に取り組んできたが、今期からはESG(環境・社会・企業統治)経営へと強化し、社会の課題解決に積極的に取り組んでいる。

同社が目指すESGの象徴として、10月から新テレビCMをスタート。課題解決に向けたソリューションの具体例として、「生分解」(カネカ生分解性ポリマーPHBH)、「健康・食料」(乳製品など)、「環境・エネルギー」(太陽電池)――の3つのソリューションを順次紹介している。

その中で、従来のCMキャッチコピー「カガクでネガイをカナエル会社」に加えて、「カネカは実験カンパニー」を打ち出した。田中副社長は「課題解決のため、実験カンパニーであり続け、失敗を成功に変えるという思いを込めた」と話した。
 
〈生分解性ポリマーの生産能力を増強、海洋プラスチックごみ問題で注目高まる〉

重点事業のトピックスでは、「カネカ生分解性ポリマーPHBH」について担当者が説明した。PHBHは、100%植物由来原料から微生物が産生する生分解性ポリマー。使い捨てプラスチックが増加し、海洋プラスチックごみなど社会的な問題意識の高まりにより、生分解性ポリマーへの注目が高まっている。

PHBHは、果物・野菜袋、ストロー、食器(皿・カトラリー)などの食品包装材料用途を中心に展開。需要が増加する中、現状の年産1,000から、年産5,000t(19年12月稼働予定)へ生産能力の増強を図る。さらに、2万tクラスの本格商業化プラントを検討している。

その他のトピックスでは、新規ビジネスとして、ベルギーのピュア・ナチュール社の技術を導入して、牛乳・バターをはじめとする乳製品事業に今期に参入、「パン好きの牛乳」と発酵バターを発売し、順調に推移しているとした。なお、「パン好きの牛乳」は先月から楽天ショップで通販を始めている。

〈大豆油糧日報 2018年12月7日付より〉