昭和産業は7日、関係業界紙誌を集めて記者会見を都内で開き、中期経営計画17-19の進捗状況のほか、油脂事業、家庭用食品事業など各部門の取り組み概要を報告した。

その中で新妻一彦社長は、中期計画に即して、鹿島工場の大型設備投資や海外事業の推進などに取り組むとしたほか、さまざまな環境変化が想定される今年をチャンスと捉え、それに対応していくことで企業成長を果たす考えを示した。

新妻社長は会見にあたり、同日発表した2019年3月期の第3四半期決算について、「売上高はほぼ計画どおりだが、利益は業績予想に対する進捗率は90%を超えており、予想を大幅に上回る進捗となっている。増益要因は販売数量の増加、コストに見合った小麦粉、油脂の価格改定による所が大きい。厳しい環境にある部門もあるが、原料コストに見合った適正価格での販促活動と、各事業の課題に応じた施策を取っていくことで、業績目標を達成したい」と述べた。

〈外部環境変化への対応求められる一年、変化をチャンスに高み目指す/新妻社長〉
中期経営計画の進捗については、総額60億円の鹿島工場における設備投資について言及し、「機能性製品の生産能力増強とBCP(事業継続計画)対策が主な目的だ。製油工場では抽出工程の更新、生産効率向上のため約35億円、糖質工場ではコストダウンを目的に一昨年行ったスターチ工程に続いて、機能性の高い粉末水あめの生産力アップを目的に約10億円投資する。また、荷役効率の改善に向けて約10億円かけて更新している」と説明した。

海外事業については、ベトナムでのプレミックス製造会社・工場建設の現況を説明した上で、「さらに台湾、東南アジアにおいて新たな事業展開を進めており、発表段階に至れば報告したい」と述べた。

4月スタートする、天ぷらマイスター制度については、「当社は天ぷら粉のパイオニア企業であり、天ぷら・天ぷら粉に関連した知識、技術、技能を体系的に整理し、次世代に継承しながら、さらに発展させるため、この制度を導入する。初年度は初級(天ぷらに接点を持つ)、中級(天ぷらを知り、友人・知人に伝える)の社内資格者を養成し、将来的には上級(天ぷらに関する全般知識の深堀り)マイスターを育成し、情報発信を通じて天ぷら市場の活性化につなげていきたい」と述べた。

最後に新妻社長は今年の抱負として、「社会・経済・政治、さまざまな面で大きな変化が想定されるが、片方では外部環境変化への対応が求められる一年になるだろう。変化への対応なくして、企業存続はありえず、変化を速やかに捉える感性を磨くことが、何より重要と考えている。変化はリスクを伴うが、他方ではチャンスでもある。大きな変化をイノベーションのチャンスと捉え、さらに高みを目指していきたい」と述べた。

〈19年産米国大豆は作付減を予想、米中貿易摩擦の影響を注視/伊藤原料部長〉
続いて伊藤大祐原料部長が、直近までの大豆など穀物相場の推移を解説した上で、今後の着目点として、一つは南米での生育状況を挙げ、アルゼンチンでは多雨、ブラジルでは高温乾燥の傾向にあることから、大豆やトウモロコシの作柄が懸念されるとした。

もう一つは、米国での19年産大豆・トウモロコシの作付意向を挙げた。直近の米国干ばつモニターでは、中西部から南部・東部にかけての土壌水分は十分な状態にあり、春の作付は問題ないとの前提に立った上で、一般的に大豆に対してトウモロコシの方が収益は有利なことから、作付は大豆減・トウモロコシ増と民間会社は予想しているが、米中貿易摩擦の動向も注視する必要があると付け加えた。

〈大豆油糧日報 2019年2月12日付〉