GMO表示、監視体制では原料段階での検査も必要と指摘/消費者委員会 食品表示部会

大豆油糧日報 2019年2月25日
消費者委員会の食品表示部会は21日、GMO表示制度改正案について審議し、監視体制や表示内容・表現方法などについて意見交換したが具体的な結論には至らず、次回「普及啓発・周知」について検討した上で、答申案について審議することとなった。

監視体制の流れは、消費者庁がスーパーや商品製造施設で加工品を買上げ・収去し、科学的検証をした上で、陽性の場合は、聞取り調査や分別流通制度に関する書類の確認など、社会的検証と科学的検証が行われると説明した。なお適切な表示と認められない場合には、同庁からの指導または公表されるとした。

委員からは、原材料の段階で検査する必要があるという意見から、改めて対象品目の見直しを求める意見が出され、食用油やしょうゆを義務表示対象品目に入れるべきとする意見も飛び出した。加工食品の完成品の段階でも、食用油としょうゆのGMO検査が将来的に可能になったら、義務表示対象にいれるべきとする考えも示された。

また、これまでの分別流通制度では5%の混入が許されていたが、「5%よりも厳しい数値で検査するのなら、トウモロコシのようにGMOが入ってしまう食品の場合はどうなるのか。新しい監視体制を考えるべき」とする案も出された。

表示に関しては、簡潔で短い言葉で表現し、その文言の普及啓発や周知に取り組むという方向で考えるなら、GMOやIPハンドリング、分別流通制度などといった言葉もあえて使っていくべきとする意見が出された。

「遺伝子組み換えでない」の任意表示に対しては、「表示されていない場合を安全と判断する消費者は少ない。これまでよりも、『遺伝子組み換えでない』表示が減り、消費者にとっては商品に対する情報が減ることで、マイナスな面が出てくる」などといったこれまでの意見を改めて指摘する場面が見られた。

〈大豆油糧日報 2019年2月25日付〉