日本豆腐協会は6月21日、都内で第43回通常総会を開催し、2018年度事業報告・決算、2019年度事業計画・予算など全議案を承認した。また、5月30日に開催した理事会において、三好兼治氏(三好食品工業社長)の新会長就任を決めたことを報告した。

冒頭あいさつした、三好兼治会長はこれまでの日豆協の歩みについて、「より良質で衛生的な豆腐の提供と業界の発展のため、1976年に発足し、1987年には名称を『日本豆腐協会』に改称した。これまで、HACCP手法を取り入れた『豆腐安全確保システム構築』マニュアルの作成や、GMO食品表示への対応、IP(分別生産流通管理)ハンドリングのマニュアル、豆腐・納豆の原料原産地表示のガイドライン作成に取り組み、豆腐業界において制度作りを主導してきた」と振り返った。

その上で、今年4月に運用開始された外国人特定技能制度や、21~22年の認定を目指している「豆腐公正競争規約」などにふれ、「当協会はこれらの新たな制度を、業界のために積極的に取り込んでいく。今後は会員間の結束が一層求められる。会員の輪を広げていきたい」と意気込みを述べた。

18年度事業報告では、昨年3月にHACCP基準Bに沿った豆腐の手引書を完成、配布したことなどを報告した。また、工藤卓男副会長(太子食品工業会長)が、豆腐業界を巡る状況を報告した。それによれば、18年3月末の豆腐製造施設数は6,563件と、1997年と比較し63%減少した。大分のみ増加しているが、全国各地で減少し、特に東京、大阪、千葉、埼玉、福岡、神奈川で減少が激しかった。また、豆腐製造業の経営状況に関しては、価格競争が厳しい一方で、原料大豆価格の高止まりや人件費などコストが増加するなど、厳しさを増しているとの見解を示した。

19年度事業計画では、喫緊の課題として会員拡大に取り組むほか、作業部会を立ち上げ、「油揚げ」「厚揚げ」「がんもどき」のHACCP基準の策定に取り組むとした。加えて、特定技能制度において実習期間を伸ばすべく、日豆協が試験実施機関となり取り組みを進めていく。そのほか、豆腐公正競争規約について、三好会長は「準備協議会の設置に向けて進んでいる。積極的に関与し、意見を述べてほしい」と呼びかけた。

〈講演「ゲノム編集による作物の品種改良」、効率的に遺伝子を変異、ステークホルダーとの議論重要〉
特別講演会では、農研機構広報部の四方雅仁氏が「ゲノム編集による作物の品種改良」と題し、講演した。四方氏は、品種改良の手法として「交配育種」「突然変異育種」「遺伝子組み換え育種」があり、最近注目を集めているのがゲノム編集育種だとし、ゲノム編集は、果物などの育種にも利用されている突然変異育種とメカニズムは一緒でありながら、より効率的に育種ができると話した。

突然変異育種は、ガンマ線を照射し人為的に遺伝子の変異を誘発させ、その中から病気に強いものなどを選抜する手法だが、必ずしも欲しい性質を得られるとは限らず、さらに品種登録まで長期間かかることが難点だった。他方でゲノム編集は、DNAを切断する点は一緒だが、ゲノム編集酵素を使い、効率よく特定の遺伝子に変異を起こすことができるとする。また、複数の農業形質(多収、耐病性、ストレス耐性、良味など)の同時改変も可能だとした。

遺伝子組み換え技術との比較については、欲しい性質の遺伝子を付与するもので、安全性審査に時間と費用を要することを挙げた。

最後に、ゲノム編集作物の食品表示に関する検討が行われていることに触れ、「行政や研究者のみならず、消費者、生産者などステークホルダーが議論に加わることが重要」との認識を示した。

〈大豆油糧日報 2019年6月26日付〉