味噌生販協議会は9月12日、都内のホテルで臨時総会を開いた。初めにあいさつした、田中徳兵衛会長(田中徳兵衛商店社長)は、「食品業界ではフードロスという問題があり、メーカーサイドでは賞味期限を年月表示に切り替えるなどの改善を進めている。また、廃棄物を作らないような取り組みも見られる。年間1人あたりのフードロスは51kgと報じられている。国連では2030年までに1人あたりの食品廃棄物の半減を求めている。これは身近なことからでもできる。本日もみそを使った料理などが懇親会で提供されるが、その際、できる限り残さないといったことを、食品業界に携わる者として、日常の活動の中でも心掛けたい。特別講演で登場していただく蓮見孝子さんはユニークな人で、直接フランスのワイナリーを訪ねて、自らがワインを選別して、日本で直接、問屋を通さず、ホテルやレストランに販売している。ゼロからスタートさせた、バイタリティーのある人なので、きっとみなさんにも良い刺激になるのではないかと思っている」と述べた。
 
〈日本も持続可能な社会の実現に向け取り組むべき/長野県味噌組連・青木時男理事長〉

来ひんを代表して、松本耕作・全味会長(加賀味噌食品工業協業組合理事長)は、「今年4月から7月までの出荷量は昨年比1.4%増加となり、4月は比較的数字が良かったので、5月の連休は落ち込むのではないかと心配したが、比較的順調に数値は進捗している。全味などによるPRの取り組みなどの効果もあり、発酵食品にフォローの風が吹いているようだ。来年に向けては表示問題や消費増税など課題があるので、気を引き締めて取り組んでいきたい」と述べた。

続いてあいさつした青木時男・長野県味噌組連理事長(マルコメ社長)は、全味のPR事業への取り組みもあり、発酵食品ブームがきているとしたうえで、世界のトレンドにおける話題にも触れ、「世界ではSDGS。サスティナブルデベロップメントゴールズ。持続可能な開発目標に対する熱が高まっている。1年に1度開催される大手流通やメーカーなどが集まる大会に参加してきたが、そこに政治的な圧力をかけることで知られるグリンピースという団体が会場の入り口を封鎖して、『森林破壊を止めないと大変なことになる。ここに集まっている人が10年前に宣言したことは何だったのか』と追及した。それを受けて、大会参加者から『同じ方向を向いて、お互いに知恵を出して、持続可能な社会を一緒に頑張りましょう』という発言があり、会場がスタンディングオベーションとなった。それを見て、次のグローバルスタンダードを目の当たりにした」とし、来年の東京オリンピックを控え、日本でも持続可能な社会の実現に取り組むべき課題であることを指摘した。

〈ワインの作り手の思いや文化などを伝えていくことの重要性を指摘〉
総会後の講演では、フランスでしか流通しないワインを独占輸入するなど、さまざまな分野で活躍する蓮見孝子さんが「文化が育む発酵食品」をテーマにワインの価値について話した。

ワインを販売する上で大切なことは、「ワインを作っている人の文化や背景と、ワインに対する思いを伝えて、楽しんでもらえるようにしたい。作り手の生活が浮かび上がるような販売をしていかないと、文化を伝えていくことはできない」とし、生活や文化を伝えていくことの重要性は、同じ発酵食品のみそにおいても通じるところがあるのではと指摘した。

〈大豆油糧日報 2019年9月19日付〉