みそ汁だけではなく、広く調理に使えるみそが求められている。それも簡便で時短を可能にするみその調味料がトレンドして動き出しており、顆粒みそや液みそなどがフォーカスされ、売り場面積を大きく確保する販売店も出始めている。即席みそ汁を持たない中堅メーカーはこの流れにどう立ち向かえばいいのか。本来のみそのおいしさを歴史やみそ作りの企業姿勢など、大手メーカーとは差別化を図っていくことで、更なるブランド化が求められているのではないだろうか。

全国味噌協同組合連合会がまとめた2019年1月~7月のみその出荷量・生産量は、出荷量が前年比3220t増の22万7783t、生産量が6991t増の23万7302tと、ともに前年を上回った。

はやりの傾向では、顆粒みそや液みその台頭が挙げられる。

マルコメは青森県の老舗かねさの顆粒みそを自社の料亭の味ブランドで展開し始めた。かねさの「ひいふうみそ汁 わかめ」もマルコメが全国販売を担う。液みその新商品「賛否両論 贅沢鯛だし」は東京・恵比寿の日本料理店「賛否両論」店主、笠原将弘氏が監修したもので、話題性のある商品をラインアップに加えながら、品ぞろえの強化を行い、時短・簡便ニーズに応える体制を整えている。同社では、みそ汁だけでなく、調理にも使える調味みそとして、顆粒みそや液みその売り込みを実施して、売り場面積の拡大に取り組みたい考えだ。
マルコメ「かねさ ひいふうみそ汁 わかめ」「液みそ 賛否両論 贅沢鯛だし」

マルコメ「かねさ ひいふうみそ汁 わかめ」「液みそ 賛否両論 贅沢鯛だし」

ハナマルキでは即席みそ汁の品ぞろえを強化した。にんべんとのコラボレーションにより生まれた「だしを愉しむおみそ汁」は消費者に対してインパクトが高く、パッケージもゴールドと目立ち、商品開発の切り口としてはおもしろい。

ハナマルキ×にんべん「だしを愉しむおみそ汁」

ハナマルキ×にんべん「だしを愉しむおみそ汁」

ひかり味噌は、即席みそ汁「有機そだちのおみそ汁」を秋の新商品の一押しに挙げる。有機白みそと赤みそを合わせ、やさしくなめらかな味わいに仕上げた。みその原料である大豆や米、みそ汁の具材は、禁止された農薬や化学肥料を使わず自然の力を利用して栽培されたものを使い、化学調味料も一切使用していない。自然に優しい食品として開発されており、ベジタリアンやビーガンの関心を引く商品設計となっている。

ひかり味噌「有機そだちのおみそ汁」

ひかり味噌「有機そだちのおみそ汁」

神州一味噌は「パパッと味噌パウダー」一本に販促の全てを注ぎこんでいる。テレビや雑誌、SNSなどとの連携によりPR活動を展開。同社も時短・簡便ニーズに真っ向勝負をかけている。店頭で説明して販売すれば、1回20本は販売できるとし、同社では現場の声を聞くために、社員自らが店頭に立ち販売に取り組んでおり、いかに使い方を伝え、味を体験してもらえるかをテーマに販促をかけていきたい考えだ。

神州一味噌「パパッと味噌パウダー」

神州一味噌「パパッと味噌パウダー」

近年、健康志向の高まりから、みそ市場には「減塩・無添加」商品があふれ、その中から差別化として機能性を謳う商品も数多く開発されてきたが、今年はおいしくて簡単調理・時短を可能にする、“使い勝手の良さ”が商品開発のテーマになっているようだ。