西京味噌、京都・綾部工業団地に新「丹波醸房・綾部工場」竣工、8月稼働開始へ

西京味噌、綾部工業団地に新「丹波醸房・綾部工場」竣工
〈次世代につなげるグローバル基準のみそ造り、国内外の多様なニーズに応える〉
「西京白みそ」ブランドの老舗、西京味噌(京都市上京区、本田茂俊社長)は、京都府綾部市の工業団地に新「丹波醸房・綾部工場」を建設し、8月から稼働を開始する。同団地内の現「丹波醸房・綾部工場」を新築移転するもの。

24年ぶりとなる新工場は、白みそ発祥の地である京都の地域特性を活かしながら、HACCPに準じた一層高度な衛生管理を行い、環境への負荷を軽減させ、働く人や自然・地域にやさしい「次世代につなげるみそ造り」の生産拠点と位置づける。また、グローバル基準のみそ造りにより、国内外の需要にスピーディに応える。

同社では、食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の認証を取得し、安心・安全な商品を提供してきたが、需要の増加に伴い、高効率の設備導入や今後の拡張性が課題となっていた。新工場では、HACCP手法を用いた衛生管理の下、伝統的な醸造技術をより高度に活用する最新設備を導入し、グローバル基準のみそ造りを行う。

〈生産能力は約1.5倍へ増強、開発・生産・発送までを一貫してスピーディに〉
新工場の生産スペースは現工場の2倍となり、生産能力は現状の約1.5倍への増強が可能となった。生産スペースに加えて、開発スペースも2倍に拡張。ユーザーの要望には、打ち合わせ(営業)から試作提案・改良(研究開発・品質管理)、本生産(製造)までを直結させて応える。和食の広がりと共に世界的にみその需要が高まるなか、多様なニーズを捉えた高度な提案や課題解決を行う。

また、綾部流通センターが隣接していることで、開発・生産・発送までを一貫してスピーディに行う体制を整えた。

環境への配慮では、工場排水から生産するバイオ再生エネルギーを利用する。UASB方式嫌気性処理装置「TROLL」により、工場排水をバイオガスと二酸化炭素に分解し、バイオガスをエネルギーとして利用することで、廃棄物を減らして環境負荷の低減を実現する。工場内は、快適な環境を維持する空気の循環システムを構築し、空調機器などを使わずに一定の温度が保てるように管理する。

バイオ再生エネルギー施設

バイオ再生エネルギー施設

職場環境では、女性や高齢者でも負荷なく現場作業ができ、働く人が誇りを持ち、多様な意見やアイデアを出し合える環境作りを目指した。同工場従業員の半数が女性であるという構成を踏まえ、「ワークプレイス」の考えを設計に取り入れた。研修室としても利用可能なホールに加え、グループミーティングにも活用できる食堂や更衣室、卓球場(リラックスルーム)など、働く人が気持ち良く過ごせる環境も整えた。

グループミーティングにも活用できる食堂

グループミーティングにも活用できる食堂

〈新「丹波醸房・綾部工場」概要〉
▽所在地=京都府綾部市とよさか町12-2
▽規模=敷地面積31,462平方メートル、総床面積9,055平方メートル、鉄骨造地上3階建
▽生産品目=みそ、みそ加工品、受託生産。
 
〈大豆油糧日報2020年6月22日付〉