昭和産業「健康こめ油」で市場参入、ボーソー油脂タイアップや、同時発売「北海道たこ焼粉」とコラボ提案も

昭和産業 国産米ぬか使用「健康こめ油」
昭和産業は、国産米ぬか使用の「健康こめ油」でこめ油市場に参入した。国産であることを訴求していき、7月に連結子会社化したボーソー油脂とのタイアップや、油脂と製粉の両方を持つ強みを生かして、他社にはできない国産をキーワードにした油とミックスのコラボ提案も行っていくという。9月1日発売の秋冬新商品の狙いを取材した。

こめ油市場については、「ここ5年で約8倍になっている」というように、伸長著しいカテゴリだ。同社は汎用油の菜種油や大豆油、プレミアム系のオリーブ油やひまわり油をそろえるが、「第3第4品群を考えていた」といい、えごま油やアマニ油、ごま油などとともに、こめ油も以前から商品化を検討していたという。そういった中、7月にボーソー油脂を連結子会社化した。「ボーソー油脂は70年の歴史があり、こめ油に対する知見があった」と、同商品を発売するに当たってのシナジー効果を振り返る。

「健康こめ油」はボーソー油脂の工場で充填しており、パッケージには「国産の米ぬか使用」、「ガンマ-オリザノール含有」、「栄養機能性食品(ビタミンE)」と表記し、「こめ油の特徴を訴えかけるようなパッケージにした」と説明する。

国産を訴求するセールストークで、国産ではない競合メーカーのこめ油からのスイッチを狙っていくとともに、ボーソー油脂の商品が入っていない店舗に営業を進めていく考えだ。容量は600gだが、大容量が求められた時には、ボーソー油脂の商品を紹介できる利点も挙げる。

すでにボーソー油脂の商品が採用されている場合も、ミックス商品とのタイアップが可能になる。たとえば、「こめ油は甘味のある油なので、たこ焼に使うとおいしい」と推奨する。

同じく9月1日発売の「北海道お好み焼粉」「北海道たこ焼粉」は、国産小麦を使用していた「昭和謹製シリーズ」の配合や商品名を変えたことで、「引き合いが強くなっている」と手ごたえを得ている。「国産をキーワードに、国産の油と国産のミックスで、他社にはできないコラボレーションを行っていく」としている。

「北海道お好み焼粉」「北海道たこ焼粉」

「北海道お好み焼粉」「北海道たこ焼粉」

〈「オレインリッチ」はひまわり油の良さを表現、“スープ”でのプロテイン市場開拓も〉
昭和産業の差別化商品であるプレミアムひまわり油「オレインリッチ」は4~7月で7%増と好調に推移している。これまでのオリーブ油と合わせたスタイリッシュなパッケージでは、ひまわり油の何がいいのか消費者に伝わりにくく、「リニューアルすべきとの声があった」という。
 
そこで今回のリニューアルでは、オレイン酸やビタミンEが豊富なことをパッケージで分かりやすく表現した。天ぷらに合うことを訴求しているが、「酸化安定率が良く、油が汚れにくい。クセのない油なので素材を引き立たせる。ドレッシングで使っても油臭くない」と強調する。
 
また、同社は「天ぷら粉」発売60周年を迎える10月1日を「天ぷら粉の日」として記念日制定した。最上級の天ぷら粉「天ぷら粉黄金」もリニューアルし、「『天ぷら粉』とベストマッチの油は『オレインリッチ』ということで、60周年をアピールしていく」としている。
 
「美活ポタジェ大豆たんぱくとコーンのポタージュ」は、粒状大豆たん白をクルトンの代わりに入れた同社初のスープ商品となり、関東のスーパーやドラッグストアでテスト販売していた。プロテイン市場が伸びており、内食需要とともに家でのエクササイズがトレンドであることから全国発売に切り替えたとしている。ターゲットは20~40代の女性とシニア層だ。
 
実勢価格は2食で298円と、一般的なポタージュスープと比べると割高になるが、スープ市場よりはプロテイン市場の開拓を目指しているという。同社は大豆たん白事業の歴史があり、3月には鹿島工場のラインも増設した。今後も大豆たん白関連商品を出していくとしている。
 
「味覇(ウェイパァー)から揚げ粉」は、「引き合いは強い」という。「味覇」の知名度が高い西で好評とし、「総菜ではなく中華料理の円卓に出てくるから揚げ」になることを強調する。
 
〈関連記事〉「味覇から揚げ粉」発売、水溶きで簡単にサクサク食感、白黒ダブル胡椒×ガーリック、しっかり味付けで食べ応え/昭和産業
https://www.ssnp.co.jp/news/soy/2020/09/2020-0901-1415-14.html

 
〈大豆油糧日報2020年9月4日付〉