2015年に創業したDAIZの植物肉「ミラクルミート」の採用が相次いでいる。

ハンバーガーチェーン店のフレッシュネスが発売する「THE GOOD BURGER(ザ・グッドバーガー)」のパティの原料として採用されたほか、A&W沖縄が発売する「The ZEN SOY BURGER(ザ ・ゼン ソイバーガー)」のパティの原料としても採用された。

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また、国内外で飲食事業を展開するきちりホールディングスへの供給が決まり、「ミラクルミート」の販売代行も行うこととなった。同社への出資も相次いでおり、ニチレイフーズ、きちりホールディングスとの資本業務提携が締結された。
DAIZ・広川学取締役CMO営業推進部長

DAIZ・広川学取締役CMO営業推進部長

DAIZの広川学取締役CMO営業推進部長によれば、「かなり多くの開発案件が進んでおり、今後も『ミラクルミート』を使った製品が市場投入されるだろう」とし、ハンバーガーだけでなく、畜肉を使っていたあらゆるメニューに、「ミラクルミート」が採用されることを示唆した。
 
「2021年10月には熊本県内に今の生産量の10倍の植物肉専用工場を建設する計画だ。生産体制は現在の年間1,000tの10倍の1万tとなり、海外からの需要にも応えられる」とした。
 
DAIZの「ミラクルミート」は、他の植物肉と何が違うのか。それは、味、食感、臭いで、差別化が図られていることだ。一般の植物肉の一つである大豆ミートは搾油された後の脱脂大豆を使用している。そのため、うま味成分や他の栄養成分があまり残っていない。DAIZの植物肉は丸大豆を発芽させた栄養たっぷりの発芽大豆を使用している。それも、発芽時に、特許技術の「落合式ハイプレッシャー法」を採用して、大豆に必要な酸素や水、温度などの条件を制御して、ストレスをかけることで、うま味や栄養成分を増幅させている。
 
一般的な大豆と比較して、うま味成分のグルタミン酸は約6倍、アラニンも5倍となるなど、多くのアミノ酸の含有量の数値が高い。牛肉と比較しても、グルタミン酸、アラニン、アスパラギン酸、メチオニン、セリンといったアミノ酸が有意に高くなっている。
 
食感は、特殊な機械を使い高い圧力で発芽大豆を膨化させ肉の筋繊維を再現する。一般的な粒状大豆たん白は、搾油粕に油やセルロースなどを加えて肉の食感に近づけていくが、DAIZの植物肉は落合式発芽大豆を原料としているので他に何も足さなくても栄養バランスが整う。
 
一番の難関である臭いの抑制にも、ミラクルミートは対応している。DAIZは佐賀大学が開発に成功した高オレイン酸大豆を使用しているため、欧米人が嫌う大豆特有の臭み成分が生成されない。しかもリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸といった5つの脂肪酸のバランスが牛肉とよく似ているため、違和感なく最後まで、おいしく食べられるという。
 
〈牛肉、鶏肉、豚肉の部位ごとのアミノ酸をデータ化し植物肉を製造〉
今後の展開については、「地球上に30万種類の穀物の種子があると言われている。世の中にある種子を発芽させてデータをとり、牛肉、鶏肉、豚肉の部位ごとのアミノ酸を測る。それもデータ化する。発芽により牛豚鶏の部位ごとに近いアミノ酸組成を発現する豆を探して植物肉を作れば、本物の肉に近い植物肉原料ができる。これは研究段階だが、数年以内に実現できる」と断言した。
 
DAIZは、「畜産との共存を図っていく。畜産はこれからも残っていかなければならない産業だ。将来的に世界人口が100億人に迫ると畜肉が足りなくなる。畜肉に『ミラクルミート』を混ぜれば、畜肉とほぼ同じおいしさを味わえる人が増える」とし、世界の貧困層からの需要にもきっちりと対応していきたいとしている。
 
〈大豆油糧日報2020年11月2日付〉