アジテック・ファインフーズ(岩手県釜石市)は1988年に大豆ミートの製造・販売を開始した。30年以上の長い歴史があり、牛やカツオエキスといった動物性の素材を使わないので、コンタミが生じることのない安心感から、ベジタリアンに高く支持されてきた。

2018年2月には大豆ミート専用の新工場を稼働した。ユーザーの幅広いニーズに対応するため、乾燥大豆ミートが製造できる乾燥設備をはじめ、さまざまな設備を導入しており、少量多品種に対応できることが強みだ。結着技術を含めた高い加工技術があり、ハムやスライスハム、カツ、唐揚げ、ミートボール、大豆ローフなど、幅広い製品を製造することができる。

温度帯では、常温ではドライとレトルトを、冷凍ではハムやハンバーグなどの加工製品や、湯戻し作業が省ける乾燥大豆ミートなどを販売しているが、アジテック・ファインフーズの熊谷明浩常務は、「これだけ幅広く対応できるメーカーは少ない」と強調する。

今後はソースを付与したハンバーグなど加工度を高めた商品開発にも注力していく。また、タイアップも増えており、大手メーカーとの共同開発もスタートしているが、熊谷常務は「今後も増えていきそう」と見通しを語る。

乾燥大豆ミートは国産原料にこだわり、北海道産の大豆を使用し、圧搾のみで油分を搾る製法にこだわっている。大豆の甘みが残り、おいしいと高く評価されている。

乾燥大豆ミートはミンチ、フィレ、ブロックなどをそろえ、学校給食に特化した問屋のPBとして全国で採用されている。細かな要望にも対応し、石川、長野、滋賀、新潟、栃木の各県では自県産の大豆ミートが給食で提供されている。地元の原料で大豆ミートを作りたいという要望は、学校給食以外からも増えているという。

熊谷常務は、「学校給食向けの需要は安定している。少子化で子供の口数は減っているが、ベースとしては大きい」とし、「地産地消以外のニーズとしては鉄分強化というのもあり、不足しがちな鉄分を添加した大豆ミートも供給している」と説明する。

〈注文増加を受けて木・金・土は3交代制で24時間稼働〉
大豆ミート専用工場ではまず、原料の大豆を圧搾機でフレーク状にし、粉砕機で粉砕している。粉状になった大豆は原料加工室に運ばれ、エクストルーダー(加熱押出機)を通る。この機械の中に水を添加し、高温、高圧にすることで膨化させ、空気を含んだ塊にする。そのままの状態では水分値が高いので、エアーで搬送して乾燥機にかける。乾燥機を導入するまでは、大豆ミートは冷凍で出荷していた。
圧搾機、エクストルーダー

圧搾機、エクストルーダー

 
エクストルーダーから水蒸気とともに粉状の大豆が押し出される際、穴の形が異なる金属板を使い分けることで、ミンチやフィレ、ブロックなど、タイプ別の大豆ミートにしている。水の量や圧力もタイプごとに変更しているという。
 
乾燥大豆ミートはふるい機にかけて選別し、袋詰め後、全国の学校給食向けに出荷されている。現在は注文が増加していることから、木曜、金曜、土曜は3交代制で24時間稼働させている。大豆の粉砕も追い付かず、2機目の粉砕機を導入したという。
 

ふるい機

ふるい機

 
〈大豆油糧日報2021年1月22日付〉