食用油、みそ、豆腐など、購買層の中心が主婦などの女性が多い商品カテゴリの中で、男性から厚い支持を集める商品が目立ってきた。汎用油やみその利用は基本的に調理が伴い、豆腐も冷奴のようにそのまま食べられるメニューもあるが、日常的に料理をしない人には縁遠い品目と言える。調理が不要で手軽に使える点が、特に単身の男性ユーザーの潜在的なニーズに合致し、リピートされる傾向にあるようだ。

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2020年度に家庭用市場の金額ベースで過去最高を更新した好調な食用油だが、内食需要の高まりで特に伸びたのは「味変」が簡単にできるごま油だ。日清オイリオグループは2020年、ごま油とにんにくのコクとうま味が特徴の風味油「日清コクと旨みのやみつきオイル」を発売した。いつもの料理に使うだけで、ひと手間かけた味に早変わりし、料理に追いがけすれば、味が変わって違ったおいしさが楽しめる商品だ。

使用者への調査では9割以上がおいしいと回答しており、リピート意向は9割以上、パネルデータの実リピートも約4割と高く、「使ってもらった人は着実にやみついている」と強調する。従来の食用油の購入層は7割以上が女性だというが、同商品は約6割が男性なのが特徴だ。

この春、「日清やみつきオイル」としてリニューアルするにあたり、新フレーバーを1品追加した。「ごま油にんにく」、「ガーリックバター風味」と、それぞれどのような味であるかを分かりやすくパッケージに表示し、1カ月で使い切れる100gに小容量化した。コミュニケーションでは、男性層、若年層に支持されているバーチャルタレントのキズナアイを起用しており、「かけて使うタイプの食用油の新しい購買層を掘り起こすことを期待している」とする。

〈液みそユーザーの3割強は20〜30代男性、豆腐バーは男性ビジネスパーソンに支持〉
みそカテゴリでは、液状みそが好調で、売り場でも存在感を増してきている。

マルコメは、液みそ全体で前年に比べ3割近く売上を伸ばしている。同社が行った調査では、「若年男性からの購入が増えており、液みそユーザーの3割強が20〜30代男性だった」と明かす。
マルコメ「液みそ 料亭の味」

マルコメ「液みそ 料亭の味」

 
また、マルサンアイによると、同社調べの生みそ、液状みそ「鮮度みそ」シリーズの購入比較では、生みそユーザーに比べて、鮮度みそは20〜60代の男性ユーザーが多いという。「男性は、手軽さから単身者に受け入れられている」としており、「コロナ禍で料理をする男性が増えているのではないか」と見る。

マルサンアイ「鮮度みそ 万能 みそまかせ」

マルサンアイ「鮮度みそ 万能 みそまかせ」

 
今までになかった豆腐のヒット商品も登場している。アサヒコの「たんぱく質10gの豆腐バー」(和風だし・柚子胡椒風味)は、発売以来420万本(2021年5月11日時点)を超える売上と好調だ。「手軽にたん白質が摂取できること、もっちりとした噛み応えのある食感と満腹感が得られるという点などが評価されている」と分析している。

アサヒコ「たんぱく質10gの豆腐バー」(和風だし・柚子胡椒風味)

アサヒコ「たんぱく質10gの豆腐バー」(和風だし・柚子胡椒風味)

 
アサヒコは、食習慣の変化とともに豆腐の喫食機会が減少していることを受け、一般的な豆腐の2.7倍のたん白質を含有する「ハイプロテイン豆腐」を開発し、2020年11月から「たんぱく質10gがとれる豆腐バー(和風だし)」として、関東の一部コンビニから展開を開始し、その後全国展開した。5月11日からは、「柚子胡椒風味」の販売エリアを、1都3県に加え、北関東、東北、関西の一部コンビニへ拡大した。
 
アサヒコによると、都内のテスト販売時にコンビニから提供された販売データでは、男女比が60:40で男性ビジネスパーソンに多く買われている傾向が見えたという。2021年3月のデータでは男女比は35:65だが、「男性が減ったというより、全国に拡大され女性の購入が増えたため、相対的に男性比率が下がっている」とする。自社でSNSの投稿をチェックしており、「定性的な視点で、首都圏の男性の買われ方は大きく変わっていない」と男性支持は引き続き高い。
 
〈大豆油糧日報2021年6月3日付〉