あづまフーズ「ベジミート」に下味つきプレーンタイプ「スターフライ」、プラントうなぎ蒲焼はグレードUP

あづまフーズはプラントベース食品を展示した/「フーデックスジャパン 2022」
あづまフーズ(三重県三重郡)は3月8日から11日まで開催された国際食品・飲料展「フーデックスジャパン2022」で、プラントベース食品を「代替」ではなく、「次世代ミート」、「次世代シーフード」と題して、試食とともに紹介した。

次世代ミートとして、2014年から展開しているヴィーガンスペックの「ソイマイスター」ブランドを展示した。そのうち、「ベジミート」は照焼チキン風、台湾ミンチ風、焼肉/時雨煮風に加え、新フレーバーのスターフライを紹介した。スターフライは、大豆たん白に玉ねぎなどを加えた下味がついただけのプレーンタイプで、ユーザーが好みの味に変えられる薄味であることを訴求する。

ヴィーガンスペックの「ソイマイスター」ブランド

ヴィーガンスペックの「ソイマイスター」ブランド

また、「グリーンワイズ」ブランドで大豆ミートを展開している繊維・化成品の専門商社の蝶理向けにOEM製造(相手先商標による受託製造)している「プラントチャーシュー」と「プラントバンバンジー」を、メニュー例とともに紹介した。繊維状大豆たん白を使用し、肉のリアルな質感を最大限生かしていることをアピールする。
 
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次世代シーフードについては、「グリーンサーフ」ブランドとして展開している。そのうち、近日発売予定の「プラントうなぎ蒲焼」を展示した。おからや豆腐を用いた植物性食品で、2021年から開発を進めている商品となるが、「更にグレードアップした。食感を改善し、より本物に近づき、よりおいしくなった」と強調する。
 
〈まるで魚シリーズが好スタート、「プラントいくら・まさご」も開発中〉
また、2021年11月から自社ECサイトなどで販売開始した「まるで魚シリーズ」として、こんにゃく粉由来の「まるでマグロ」、「まるでサーモン」、「まるでイカ」の3種を展示した。代替食品の先進国である台湾企業に製造を依頼し、同社の要望も伝え、刺身の食感や色味のリアルさを追求した商品だ。「発売4カ月だが、年明けには2便目が出て、まもなく3便目が出る見込み」と好調のようだ。見た目がリアルな上、本物と変わらない価格設定も購入につながっているとしている。
 
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食べた時の評価はイカが最も高く、マグロとサーモンも見た目のリアルさから人気だという。サーモンやマグロを原材料に使用していないにも関わらず、「サーモンの香りやマグロの味があるという話をする人が多い」とのこと。シャリを乗せて、寿司としての試食も実施していた。
 
植物性の漬けだれも用意した。同じく三重県に本社を構えるヤマモリにOEMを依頼したもの。一般的な海鮮の漬けだれは、原材料にカツオエキスなど動物性の原材料を使用している。また、砂糖をろ過する工程でも、動物性のフィルターが使われているというが、動物性の原料やフィルターを使わず製造されている。「まるで魚シリーズ」をリピートしてもらうために、ECサイトからの購入者には無償で添付しており、「BtoBでも積極的に配っていく」としている。

植物性の漬けだれ

植物性の漬けだれ

開発中の「プラントまさご」と「プラントいくら」の試食も行った。既存の「白キクラゲオレンジ」はキクラゲ由来だが、「プラントマまさご」は海藻の成分であるアルギン酸ナトリウムでの量産化を目指している。「プラントいくら」もアルギン酸ナトリウム由来で、本物のいくらと同様に、アスタキサンチンという色素を含んでいる。アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、エビやカニ、鮭や鯛など、海の生物に多く含まれる赤橙色の色素である。「プラントいくら」は、動物性ではなく、ヘマトコッカスという藻類の一種が蓄積する植物性のアスタキサンチンを含んでいるのが特徴だ。

開発中の「プラントいくら」

開発中の「プラントいくら」

また、プラントベース以外にも、植物性と動物性の組み合わせた「いかワサビハイブリット」も提案した。イカはナタデココで植物性、ワサビソースは動物性原材料を含むが、「たこわさの元祖としてのおいしいソースを加えた」としている。「次世代シーフードのエントリーモデルとして提案し、今後もラインアップは増やす」と狙いを語る。
 
〈大豆油糧日報2022年3月17日付〉