〈技術革新でおいしさ、食品ロス低減などサステナブル食品としても注目〉
ディーツフードプランニング(奈良県橿原市)は、日本の伝統食材である「こんにゃく」と「おから」を原料とし、独自技術を取り入れた「Deats(ディーツ)」を、肉や魚の代替ではない、ヘルシーかつ食卓の主役になる新たな食材として展開している。同社の大川訓弘代表取締役社長に、「ディーツ」誕生までの歴史や今後の可能性について聞いた。
ディーツフードプランニング・大川訓弘代表取締役社長

ディーツフードプランニング・大川訓弘代表取締役社長

「ディーツ」は、おからやこんにゃく特有の臭いがせず、和・洋・中メニューから甘味など多種多様な商品が作れるほか、水溶性・不溶性食物繊維、カルシウムを豊富に含むなど栄養価に優れる。また、食料残渣であるおからを活用しているため、食品ロス低減にも繋がり「次世代サステナブル食品」として、昨年の上市以来注目されている。
 
「ディーツ唐揚げ」といったレンジアップやフライパン調理など手間がかからない市販用、自由に味付けできる業務用を展開している。ファーストクラスの機内食に「ヘルシーカツ丼」として採用されているほか、外食からの引き合いも強い。そんな国内外から関心を集めている「ディーツ」だが、構想は約20年前に遡る。 
 
「『ディーツ』は2005年に、私の父と兄弟が創業したこんにゃく製造販売大手のオーカワ(奈良県吉野郡)から『おからこんにゃく』として発売し、2006年には大ブームを博した。しかし、模倣品が発売され、これらの多くはこんにゃくの中におからを配合した商品で、消費者からはおからの臭いが気になるといった声があがっていた。私達のおからこんにゃくは、こんにゃくの表面におからを付着させ弾力をコントロールする全く異なる技術で製造していたが、模倣品によるブランド力低下が懸念された」とし、2011年に一旦販売を停止、おからの臭いを完全に取り除く独自技術の確立に着手したという。
 
〈鶏肉よりもローコスト実現へ、「Meat、Fish or Deats?」と言われるように〉
その後、ユーザーの「不満足領域」を改善しようと、
 
〈1〉おからの臭いを消す
〈2〉食感のコントロール
〈3〉原料の供給体制の構築
〈4〉鶏肉よりもローコストであること
――をテーマに掲げ、技術革新を続けたという。
 
この間、再販を望む声も多く受けたが、「販売を休止してからの約10年間、技術革新を怠らなかったことでオンリーワンの商品を作ることが出来た」と自信を見せる。そして、2020年にディーツフードプランニングを設立し、2021年に「ディーツ」として販売開始した。同社では、100年先を見据えたブランディングを行い、「Meat、Fish or Deats?」と言われるような、肉や魚の代替ではなく、全く新しい食品として提案を行っている。 
 
大川社長は、おいしさや健康は大前提に、価格面も重要な要素だと指摘し、「鶏・豚・牛肉よりも手軽に食べてもらえることが、食料問題の解決に重要な要素ではないか。今後ディーツがより広がり、販売量が増えれば、鶏肉よりも2~3割低価格で提供できるようになるだろう」と話す。また、それを実現するための自社工場を、来年度に完成させること目指している。 
 
現在は、肉や魚料理が食卓のメインであるため、その代替メニューとして利用されることが多いが、「ディーツ」の可能性はそれに限らない。植物性卵も出来るほか、スイーツやジュース、ジャムなどにも活用できるという。また、鳥皮や軟骨など4~5つの部位に加工することも出来るとし、さらにバリエーションを増やす予定だ。要望があれば、DHAなどの他の健康素材を配合することも出来る。 
 
「『ディーツ』が健康的な食のスタンダードになることを目指したい。また『Made in Japan』を発信し、さすが日本のプラントベースフードだと言われるようにしていきたい」と、今後の展望を語る。
 
〈大豆油糧日報2022年4月7日付〉