永谷園フーズ、高萩工場をドライ製品の中核拠点に 生産能力2割増を見込む

お茶づけ海苔の小袋包装
お茶づけ海苔の小袋包装

永谷園グループの国内8工場を管轄する永谷園フーズは、今年3月に高萩工場(茨城県高萩市)の稼働を開始した。茨城工場の老朽化に伴い、約90億円を投じて高萩市内に移転、新設した。高い造粒技術(調味顆粒生産技術)を備えた東日本エリアの中核拠点として、お茶づけやみそ汁、ふりかけなどドライ製品の生産を行う。26年5月末時点で日産190万食。本稼働後には旧工場の日産能力から約2割の増強を見込む。

造粒サイズは、直径1.2㎜(お茶づけ調味料の顆粒用)、1.5㎜(ふりかけ用)、1.8㎜(ごましお用)と1.3㎜(テスト用)の4種
造粒サイズは、直径1.2㎜(お茶づけ調味料の顆粒用)、1.5㎜(ふりかけ用)、1.8㎜(ごましお用)と1.3㎜(テスト用)の4種

◆自動化や動線の見直しにより、生産性と労働環境を向上

7月1日には、高萩工場を食品業界専門紙向けに公開した。永谷園フーズ社長の増田尚弘氏は「高萩工場は、永谷園ブランドの核となるドライの主力品を生産している。安全と品質の維持を大前提としたうえで、さらに効率よく量産し、最高のおいしさをお届けする『最前線の基幹工場』と位置づけている」と説明。自動化設備や新システムの導入、作業動線の見直しを図り、生産性と従業員の労働環境の向上を両立させた。

工場全景と太陽光パネル
工場全景と太陽光パネル

◆次世代を担う人材を育成

近年の食品工場は、テクノロジーの発展に伴い、高度化・デジタル化が進んでいる。「工場を正常かつ高度に稼働させるため、現場で働く優秀な社員を時間をかけて育成していかなければ、生き残っていけない時代に入った。ジェンダーに関わらず平等に働くことができる職場づくりをめざしている。この高萩工場で最新のモノづくりに挑戦してみたい、働いてみたいというポジティブな気持ちを持つ若い方が、一人でも増えることを願う」と増田氏。

「おとなのふりかけ」の包装機に、複数の原料を小袋に直充填できるバケットレス充填機を永谷園グループの工場で初めて導入した。食品に触れる部分がユニットになっているため、洗浄や部品交換が必要だった従来機に比べ、生産切替にかかる時間が半減した。静音化にもつながり、稼働音は従来比約17%減になったという。

グループ全体で自動倉庫を導入しており、高萩工場でも段ボールのパレット積みから入庫までを自動化した。コンベアで流れてくる段ボールのQRコードを読み取り、品種ごとに決められたパレットに積み込まれた後、自立走行搬送ロボット(AMR)がラッピングマシンまで運び、荷崩れしないようラップで巻いてから自動倉庫へ搬送する仕組みだ。AMRと自動倉庫を組み合わせたのはグループ内で高萩工場が初めてとなる。倉庫内には1800パレット、生産した商品の2.7日分を収容できる。

自律走行搬送ロボット
自律走行搬送ロボット
倉庫
倉庫

グループ独自の品質保証システム「NAFSAS」に基づき、生産から入庫までの一連の工程を基幹システムと連動したMES(製造実行システム)で管理監視している。誤投入を防ぐため、原料投入時には、投入ホッパーに付与されたQRコードと投入予定原料のQRコードをそれぞれ読み取り、MES上の製造指図情報と照合する。この照合が一致しないと次工程に進めない仕様とした。

工場内におけるフィードディフェンスの一環で、場内および外周にモニタリングカメラを設置した。さらに、入場者を顔認証システムで管理監視している。

このほか、発電容量444kWの太陽光発電設備を導入した。高萩工場内で使用する電力の4割を賄うことができ、CO2排出量の削減にも貢献する。高萩工場長の瀬戸陽一氏は「この高萩工場を将来的に発展させていくには、現場の作業者が、自らの役割と持ち場における職責を理解し、主体的に動く役割分担のガバナンスが必要となる」と強調。そのうえで、従業員の集中力を維持し、高い品質を維持するために「工場全体が明るく、楽しく、ポジティブに働ける場所であることを重視している」と語る。

永谷園フーズの増田社長(中央)、瀬戸工場長(中央右)ら
永谷園フーズの増田社長(中央)、瀬戸工場長(中央右)ら
休憩室の一角
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食品産業新聞

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発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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